2018年9月17日月曜日

違和感が出ないために重要なこと


F様のリビングです。
掃き出し窓と滑り出し窓に2台のダブルシェードを
並べて取り付けました。
ただ単に付けたようにしか見えませんが、
ちょっとした調整をしています。
それは取付高さを変えていること。
私たちカーテン屋は、採寸の際に窓の寸法を測りますが、
当店では窓上、窓横、窓下の寸法も測っています。
そしてこの2つの窓は、
床から窓の上端までの寸法が2cm違います。
そのため、窓の上端を基準に取り付けると、段差が出来てしまいます。
そこで取付高さを2cm変えて、高さを合わせて付けています。
違和感の無い自然な仕上がりは、丁寧な採寸が重要なのです。

2018年9月16日日曜日

裏地の選び方



S様のリビングにお選び頂いたサンゲツの輸入生地。
展示会で初めて見た時から、素敵な生地だなと思った生地でした。
今回は掃き出し窓にカーテン、腰高窓にシェードという組み合わせで、
シェードの方にだけは西日対策の裏地を付けました。
打ち合わせ時にご相談したのが、裏地の種類です。
遮光?非遮光?ポリエステル?綿?
一口に裏地と言っても色々な種類があるからです。
そして、ご相談の結果、綿裏地となりました。
窓が擦りガラスのため、クリアガラスよりも陽の光が弱くなること、
遮り過ぎることで暗くなってしまうこと、
そして最大の決め手は、生地の良さを殺さないこと、です。
遮光裏地を付けると、どうしてもボリュームが出てしまい、
この生地の持つエレガントさが無くなってしまいます。
S様は今お使いの生地がダメになったから、
架け替えを検討されたのではありません。
お部屋の雰囲気を変えたい、今より明るくしたい、
そのためにカーテンを変えることにされたのです。
遮光裏地は、そんなS様のご希望とは離れてしまいます。
好きな生地の良さを活かしたまま、少しだけ陽の光を弱くする、
そんな裏地の選び方もあるのです。



2018年9月15日土曜日

S様、準備完了しました。

S様がご新居のカーテンのご注文を下さったのは、
まだ当店がオープンして間もない6年前。
その時に『横浜に実家があるので、掛け替えの時は是非お願いしますね』と
おっしゃってくださいました。
そして、6年経って、こうして本当に声を掛けてくださって、
なんだかこう、グッとくるものがあります。
戸建てでもマンションでも、ご新居への引っ越しというのは、
それを決断する段階から、人生の一大イベントです。
その瞬間にカーテンと言う形で携わって、
そのご縁が今もこうして繋がっていることに、
ただただ感謝しかありません。
明日、宜しくお願いします。


2018年9月10日月曜日

木製ブラインドの選び方

N様のリビングに木製ブラインドを施工しました。
ニチベイから新しく出たブラック色です。
似たような色でウエンゲ色というのもあります。
一般的には『ウエンゲだと濃いかな?でも建具の色に合いそうだな』と
悩まれる方が多いと思いますが、
この2色は同じダーク系というだけで、使われる部屋は全く違います。
例えば、紺色のポロシャツと紺色のスーツでは、
似た色でも着ていくシーンは異なります。
木製ブラインドも同じで、そのお部屋のシーンが重要です。
時にはお部屋作り全般を考えなければなりませんが、
それは単純に『どっちが建材と近いか?』という選び方をされるより、
何倍も楽しいですよ。

2018年9月9日日曜日

シモジマ荘のこと

軽井沢の工事の帰り道、
エンジンの調子が悪い工事車をいたわりながら
なるべく低負荷で上信越道を走っていると、
電光掲示板が埼玉との県境で20キロ以上の渋滞を知らせていた。
水温が上がる渋滞はまずいなと思いつつ、
ふと、渋滞区間に下道を走れば東松山市を通過することに気づいた。
『シモジマ荘へ寄ってみよう』
この道を走るたびに、思い出深い街の名前に郷愁を感じつつ、
寄ることが出来なかった街。
帰りは遅くなるけれど、そんなことも正当化できる理由を得た気がして、
僕は花園インターで高速を降りた。

その街に住んだのは大学に入った年の、ほんの一年間。
カギは掛かるが開いてしまう、築ウン十年の木造平屋のアパートで、
バスとトイレは共同。
月13000円の家賃はバブルで地価が高騰していた当時の日本では考えられない価格で、
『駐車場より安い』と友人に笑われた。
部屋は5部屋。
皆、同じ大学の学生で、2年生のウエキさんとイシバシさん、
同級生のアシカガとタカツキ、そして僕の5人が住んでいた。
ウエキさんは寮長のような存在で、CCBのドラマーのような髪形と眼鏡をかけ、
いつも下ネタを話して皆を笑わせていたが、いつも誰かを気にかけていた。
長身で少しクールなイシバシさんは、
そのキャラクターとは裏腹に、どこか乱雑なところがあった。
シモジマ荘のガスコンロは、コックを捻ってマッチで付ける前昭和的なもので、
ある日、イシバシさんはコックを捻ったままテレビのチャンネルを回しに行き、
散々どの番組ににしようか迷った挙句、コンロに戻ってマッチを付けた。
あの時、確かにシモジマ荘は基礎から5cm浮いたと思う。
アイドルオタクのタカツキは、部屋がそれ系の雑誌で埋められていた。
それも雑誌別の発行月順に。
黒縁の眼鏡をかけ、ボソボソと話すが、
話し相手を見ているのは最初だけで、途中からは目の前のコタツを見ていた。
当時、女優の深津絵里がデビューしたばかりで、僕は彼女の大ファンだった。
彼女は高原里恵という芸名も持っていたが、この二人は別人とされていた。
僕はタカツキの前で、それぞれの魅力を話し、
どちらが好きか迷うよなぁと、それとなく彼に意見を求めた。
タカツキは黒縁の眼鏡を上げ、私の顔を横目で見るとこう言った。
『サイトー、あの二人は同一人物だ』
僕はまるでMMRのキバヤシのように驚いた。
『事務所の戦略だな』
その理由を彼は丁寧に説明してくれたが、
コタツに向かった小声では聞き取るのが難しかった。
アシカガは本当に真面目で、優しく、思いやりのあるヤツだった。
当時、貧乏だった僕らはコンビニのお弁当を買うことがままならず、
よく5人でお金を出し合ってカレーを作った。
そんな時でもアシカガはジャガイモを真四角に、且つ均等に切っていた。
怒ることがまずない温和な性格だったが、
一度だけ本気で怒らせてしまったことがある。
テレビの無いアシカガは、僕がセブンイレブンの夜中のバイトをしている間、
僕の部屋でテレビを見ていた。
それより以前、僕は彼に、浪人時代に友人とキャンプに行った時の
心霊現象のことを話をしたことがあった。
バンガローの壁を誰かに夜中じゅうノックをして回られたという話で、
友人のツバキがドアノブを握り、ノックが起きた瞬間に開けたが、
そこには誰もいなかったという結末に達した時、彼の恐怖も頂点に達していた。
ある日、僕が明け方にバイトから帰ると、
足音で気づいたアシカガが部屋から飛び出してきた。
『サイトー、ノックが、ノックが来たんだよ~』
アシカガは一睡も出来ずに僕を待っていたらしい。
その日の晩、僕は彼が電気を消したのがガラス越しに分かったその時に、
隣室の彼の壁をトン、トン、と2回ノックした。
彼が本気で怒ったのはその時くらいだ。
サイトーはどうしようもないヤツだった。
『体育の授業の選択は早い者勝ちだから絶対にその日は寝坊するなよ』と
あれほどウエキさんに言われていたのに、ガッツリ昼まで熟睡した。
教務課で『柔道と剣道とレスリングが残っているけど、どれがいい?』と聞かれて
『どれも嫌です』と答えたが、一笑に付された。
柔道の授業にはオリンピック候補選手がいて、
柔道部の顧問の先生に『お前、背が高いからコイツと乱取りしてみろ』と
体重別のスポーツを教える人とは思えないことを言われた。
『嫌です』と言ったが一笑に付された。
 『オス!』
『いや、オス!じゃなくて…』
高校時代の授業を思い出してつい大外刈りを掛けにいったら、
彼の体が本能で反応したらしく、とんでもない速さで畳に叩きつけられた。
それから1週間、僕は肋骨の傷みに耐え切れず、
シモジマ荘で皆の介護を受けながら、寝たきりの生活を送る羽目になった。
 一般教養の授業では、誰でも絶対に単位をくれるという
生物学の授業を落としそうになった。
先生から『シダの標本を見て、この資料から名前を見つけ出してくれ』と、
研究の手伝いと言う名目の罰ゲームをさせられることになった。
『全部同じにしか見えないのですが』と言ったが一笑に付された。
サイトーの思い出は本当にこれくらいで、
その他に思い出せるようなことはあまりない。
友人と喧嘩したとか、恋人が出来たとか、どこかを旅したとか、
サークルに入ったとか、カラオケに行ったとか、スキーをしたとか、
シモジマ荘で過ごした一年間は、そういう特別な思い出の無い一年間だった。

若松町という町名だけを頼りに、僕は車を走らせた。
当時、バイトをしていたセブンイレブンを探したものの、
グーグルマップで検索しても出てこなかった。
スズキのディーラーが遠くに見えた時、
近くにあったことを朧げに思い出し、
ふと右を見た時にレンガの外観のコインランドリーが目に入った。
僕がバイトをしていたセブンイレブンだった。
上の階にはオーナーさんが住んでいたはずだが、
誰かが住んでいるような気配はなかった。
右折した空き地に車を止めて、
確かセブンイレブンの裏の最初の路地をどちらかに曲がった所だったなと、
記憶を辿って歩いてみたが、シモジマ荘の面影はどこにも無かった。
当時でも『建っているのがやっと』の建物だったし、
大家さんは高齢だったので、残っているはずもない。
それは予想されたことではあったけど、なんだかとても残念だった。

いつも何かに熱中していないと気が済まない僕が、
唯一何もしていなかった一年間。
当時の僕はそんな時を過ごしてしまった焦りから
もう一度自分のやりたいことを考えるようになるのだけれど、
今思うと、何を以て『良い時間を過ごした』と結論付けるかは、
過ごし方とは無関係な気もする。
自分にとっては『煮ても焼いても食えない一年間』と思っていたけれど、
そんな時間の方が、大人になって大切に思えたりするものなのかもしれない。

2018年9月7日金曜日

三角形のカーテン

よく使う裏道で、建築関係の仕事ではない人でも、
興味をそそる個性的なデザインの家があり、
建築途中からずっと気になって見ていました。
『カーテン、どうするのかな?』という私の思いが通じたのか、
A様からカーテンのご依頼を頂きました。
大きな三角形の窓に有孔壁、
A様とご相談をしながらお作りしたのは
斜辺にハトメ穴を開けてヒートンに引っ掛けて固定し、
中央に軽めの棒を入れて生地を張らせ、
開けるときはその棒を芯材にしてクルクル回し、
ハトメ穴を開けたタッセルで束ねる。
理屈上はうまくいきそうですが、
心配なので1つお作りしたものを試してから、
2つ目をお作りすることにしました。
明日は最終納品日です。
A様、よろしくお願いします。



2018年9月5日水曜日

大量の木材を…

一昨日昨日と、一日中、東京を歩き回り、
最後には膝が痛くて手すりを使わないと降りれない程に(苦笑)。
高校時代にスポーツで膝と腰をやってしまってから、
雨の日はキツイです。
そんなことも言ってられないので、
今日はホームセンターに行きM様の吹き抜け工事の準備です。
大量の木材を自分でカットする気力は…無く(笑)、
機械でカットしてもらいました。
これさへあれば、何度も上り下りをせずに済み、
脚立が立てられない窓にも届くという計算です。
M様、明後日宜しくお願いします。


2018年8月30日木曜日

走る魚と熱い父と冷静な息子

この時期は仕方ないのですが、
やっぱり行ってしまうのですね。海に。
それも地元ではなく西伊豆へ。
仕事を終えて12時に家に着いてからの2時半起きで(笑)。


夏の伊豆の人気者、ソーダガツオ。
突っ走るので引くんですね。
地元の海にもいますが、ルアーには反応しません。
相模湾沿いに住む方はご存知かと思いますが、
こちらではシラスが良く取れます。
なのでソーダ君もシラスを食べているわけです。
逆に西伊豆でシラスの話はあまり聞きません。
西伊豆はイワシの海なのです。
その餌の大きさの違いによって釣り方も変わるわけです。
でも、このソーダ君、最初は皆に喜ばれますが、
悲しいことに8月も終わりになると釣り人に飽きられてきます。
そして流れは大物狙いへ。
PE2号のリーダー8号、Mのロッドで勝負に行くわけです。
でも釣れないんですよこれが(笑)。
色々な深さを狙って、誘い方を変えても、結果が出ない。
そこで諦めるかどうかが、分かれ目です。
で、夕マヅメに来ましたよ。
メジ!(メジマグロ)。
『FIRE好きなんだ~』
いや、そこじゃありません。
竿を思いっきり曲げてくれるパワーと、青物特有のスピード。
もう、ドラグが止まらない止まらない。
途中から指でスプールを抑えながらのパワー勝負でした。
サイズは小さいけど…
本カツオ。
胴体にうっすら見える横縞がとても美しい。
誰もいない夕マヅメの海で『ヨッシャー~!!』と叫ぶ50才。
前回70cmクラスのシイラをバラしているので、
歓びもひとしおです。
思わず次男に電話したら、
『なるほど。それで、誰かにその嬉しさを聞いてほしくて電話してきた、と。』
おい、なんだその冷静な反応は(笑)。







2018年8月27日月曜日

準備完了です

明日は4つの現場にお邪魔します。
まずはドイツ&スウェーデンの組み合わせで、
色のあるモダンなリビングをお作りするS様。
























共に海外からのお取り寄せのため、
ご入居に間に合わせることが出来ませんでしたが、
ご期待を裏切らない仕上がりになると思います。
箱を開けてチラ見しましたが、とても素敵でした。


お次はレール施工のO様。
窓枠に付ける関係で、
レールの高さがあまり下がらないブラケットを使用しての工事です。

午後は相模原へ。
リフォームしてさらに素敵になった美容室へ、
ロールスクリーンの取付に伺います。

そして最後は、明日の入荷を待って、
I様にピクチャーレールの取付です。
件数の多い一日ですが、
時間的には余裕がありますので、一つ一つ丁寧に施工致します。






2018年8月25日土曜日

Y様準備完了です

明日はY様の取付工事です。
輸入のバイクに合わせた縦型ブラインドのカラーコーディネート、
グッドタイミングで入荷したイギリスの生地、
間仕切りのパネルカーテン、
各お部屋に見どころありの素敵なご新居になると思います。
気温がだいぶ上がりそうですが、一日頑張ります。


2018年8月20日月曜日

A様準備完了です


明日は荷物満載でA様の一日工事にお伺いいたします。
準備は万端ですが、一つだけ心配なのが車の調子。
ここのところイマイチぐずり気味です。
明日には19万キロに達しますが、
何とかあと少し頑張ってもらいます。
あと少しで50才の私の体力も心配ですが、
こちらはまだまだ頑張ってもらいます(笑)。



2018年8月19日日曜日

横ボーダーを縦ストライプに


本日施工したT様のシェードです。
本当は横ボーダーの生地をスタッフの提案で
縦ストライプとして使用しました。
仕上がり幅はストライプの出具合も計算しています。
西海岸よりのちょっとキュートさのある感じ、
そんなピンポイントなイメージを形にできました。
T様、この度はありがとうございました。

2018年8月18日土曜日

『アフター』にならないために

海老名の人気インテリアショップ、
ILLIGATE(イリゲート)様にロールスクリーンを施工しました。


窓の取っ手やアームを避けるため、
金物で本体を前に出して施工しています。


奥のビスは軽天なので、
4か所キッチリ止めるのはモチロンですが、
もう一つ注意したのがブラケットの個数です。
メーカーの規定上、2個の窓が多かったのですが、
持ち出し金具を使っていることや、
不特定多数の方が訪れる店舗であること、
もう少し幅が大きければ3個のサイズになること、
そうした点を踏まえて一つ多く使っています。
もちろん、事前に調べて発注しておかなければいけません。
アフター対応をキッチリやるのは勿論ですが、
アフター対応が必要ないようにしておくことは、もっと重要です。