2014年9月30日火曜日

I様レースカーテン

進捗状況の紹介にブランクが出来てしまいましたが、
この間ご注文頂いております分も、つつがなく発注しております。
まずは相模原市のI様。
リビングにはポール・へニングセンの赤い照明。
そこへ赤のカーテンを持ってくるのはシンプル過ぎるので、
あえてリビングはグレーベースのフロントレースにして、
レッドとグレーを組み合わせたクッションを置く。
そして、続き間の洋室に赤がアクセントカラーの『何か』を持ってこよう。
これがスタッフと考えたプランでした。
早速そんなレースを探すも、予想通りそんな都合の良い生地は…無い(笑)。
バーチのカラコで作ろうという事になりつつ、
翌々日に行く予定の輸入商社巡りでも探すことになりました。
そして…なぜか出会ってしまう不思議!
見つけた瞬間、『I様の洋室!』とスタッフと声が揃ってしまいました。
しかし、このレースを柄位置を合わせて二つの窓に使うのも違和感があるので、
(妙に揃い過ぎてしまうんですね)
窓の構成をいかしてランダムに配置します。
発注書はこんな感じ。
 
間取り図と希望のイメージ、そしてその理由を書き添えて。
『引越しに間に合わなくても良いです』とおっしゃって頂くほど
気に入って頂いた生地ですので、バッチリ仕上げたいと思います。

2014年9月28日日曜日

promised island

少し前の話ですが、4月に家族で天草へ旅行に行きました。
今年は長男と次男が受験なので、家族でどこかへ行けるのも最後、
と言うよりまともに家族旅行をしたことがなかったので、
最初で最後の家族旅行をしようと思ったのです。
子供たちに希望の行先を聞いたところ、色々と楽しそうな場所が出てきたのですが、
『やっぱり天草へ連れて行きたい』と僕のわがままを通してもらいました。
自分が今までで一番好きだった場所を、子供たちに見せてあげたかったのです。
子供たちは『天草ってどこ?』『何県?何かあるの?』と聞いてきました。
最初の質問には『熊本県』と即答したものの、次の質問にはちょっと悩みました。
『そう言えば何があったんだろう?』

僕が天草に行ったのは今から24年前。
バイクで日本一周をした時です。
当時住んでいた川越市のアパートを出て時計回りに西へ。
関西を抜け岡山から四国へ、そして高知からフェリーに乗り大分へ渡りました。
一人で野宿旅と言えば聞こえは良いですが、とても孤独で恰好悪い旅でした。
毎日3時を過ぎれば寝る場所を探して心落ち着かず、
誰もいない田舎道の片隅でテントを張ってはみたものの、夜の闇に恐怖して泥酔しました。
台風に直撃され心折れそうになり、
でもそんな弱音も吐けずに公衆電話から意味なさげに友人に電話したりもしました。
そんな旅の中で最も心に残っている場所が天草だったのです。
でも、振り返ってみると僕が覚えている光景は2つだけでした。
一つは小さなフェリーに乗った時に見えた美しい夕焼け、
もう一つは別のフェリー乗り場の岸壁から海を覗いた時に見た熱帯魚のような魚の群れ。
あれだけ思い出に残っていて、いつかもう一度行きたいと思い続け、
新聞の投書欄に天草の話を見つけるだけで心躍り、
仕事で一息つくと『天草』を画像検索したりYouTubeで見たりしてしまうのに、
覚えている光景はその2つだけだったのです。

考えてみればそれは不思議なことでした。
美しい景色ならほかにもたくさん見てきました。
空へ向かって離陸するように走る乗鞍スカイライン、
雄大という言葉でしか言い表せない北海道、
美しい川添いを走る吉野川添いの国道、
河童橋に寝転んで見た天の川と無数の流れ星、
チェーンを巻いてバイクで走った真冬の北海道、
灼熱のオーストラリア、
美しい景色も鮮明に残る思い出の地も、数えきれないほどありました。
でも、僕が最も思い出に残っていたのは天草だったのです。

現地に着き、車を走らせながら僕はひたすら記憶を手繰り寄せました。
どこかに見覚えのある景色があるはずだ。
どこかに思い出を鮮明に蘇らせてくれる何かがあるはずだ。
でも、いくら走っても何も思い出せません。
『確か……牛深という港からフェリーの乗ったはずだ』
家族に無理を言い、夕暮れの島を数10キロ離れた場所まで走りました。
山間の道を抜け突き当れば牛深港。
胸の高まりを抑えながら、少しづつ見えてくる港を目指しました。
そして、着いた場所は全く見覚えのない場所でした。

結局、自分がなぜあんなにも天草に惹かれたのか分からないまま、
三日間の家族旅行は終わりました。
自分の疑問は解けませんでしたが、皆とても楽しかったと言ってくれて、
我がままを押し通した負い目も少しは抜け、
また一つ天草が好きになって帰ってきました。

つい最近、開業以来初めて一人で釣りに行きました。
行先は西伊豆の戸田港。
ここは僕がバイクの免許を取ってから数えきれないほど通った思い出の場所です。
時間があるとここへ来て、缶コーヒーを飲んで帰るというのがパターンでした。
久しぶりに釣りに行こうと思った時、色々な釣り場が思い浮かんで、
『今なら〇〇港がいいかな~』などと情報も集めてみましたが、
やっぱり自分が一番落ち着く場所がいいかなと思いました。
釣果もそこそこ良く、一日竿を振った心地よい疲労感と
気持ちがリセットされたような充実感を味わいながら片づけを始めた時、
夕暮れに照らされた海と小さな港町を見ながらふと、
『天草に似てる』と思いました。
そうか、そういうことだったのか。

2014年9月24日水曜日

U様邸ブラインドの昇降コード

この数日間は工事が続き、ちょっとブログをお休みしておりました。
時間的にと言うより体力的な問題です(苦笑)。
息子に『テレビ番組表かよ』と突っ込まれたスケジュールでしたが、
そんな間も小さいことにこだわりながら1窓1窓丁寧に。

 
こういうの気になるんです。
 
 
こんな感じが良いですね。
明日は茅ヶ崎市のN様と藤沢市のS様のご新築工事です。
バッチリ仕上げます!
 

2014年9月18日木曜日

続)子供部屋への想い

縫製担当のart-k後藤です。


製作の現場では想いの引き継ぎです。

入荷した生地、柄の位置を計算して指示書には書き表せない仕立てで一工夫。


仕立ての想いもプラスして。

写真を一枚

縫製担当のart-k後藤です。


製作中から一枚写真を。

絵になるわぁ。

・・・・思った事そのままな記事でごめんなさい・・・

2014年9月17日水曜日

新サンプル

今日は新規のお取引をお願いに輸入生地商社をへ行って来ました。
素晴らしい生地がたくさんあり、見ているだけでテンションが上がります。
数冊購入したブックの内、持ち帰ることのできた無地シリーズを紹介します。
何と36色のカラーバリエーション。
ポリエステルとは思えない素材感もそうですが、
輸入物には珍しい150㎝の生地巾も良いですね。
柄物と組み合わせることの多い当店にとって、無地の生地巾はとても重要なんです。
そして何より素晴らしいのが色!
例えばブルーだと、国産品は殆どがお子様向けになってしまうんですよね。
大人向けだとモダン系の素材感のものしかなかったり。
ピンクも非常に困る色です。
国産品はなぜかサーモンピンクになってしまいます。
大人の女性に選んでもらえる上品なピンクがなかなかありません。
アイボリーもしかり。
薄すぎたりベージュに近くなり過ぎて、『このアイボリー!』って言える色が
案外少ないのです。
このシリーズは当店にとって救世主になってくれそうです。
この他にも綿の多色のシリーズもあります。
柄物は是非、当店で現物をご覧になってください。
明日は定休日ですが輸入商社巡りの第2弾。
一日で3社を周る強行軍です。
行って来ます!
 
 

2014年9月16日火曜日

U様工事準備

金曜日に工事に伺うU様の準備中です。
房掛けの下の段には取付金具が入っています。
発注の際は『一間用のダブルが3か所、シングルが1か所…』と
明細書で合計数を確認して手配しますが、
届いた部品での再チェックの際は『この窓にダブルの金具が3個、この窓にも3個…』と
1窓づつ実際の部品を手で移動しながら確認します。
発注の時と同じ手法で個数を確認すると、同じ見落としをするからです。
ブラケットが1つ足りないだけでも1窓のカーテンが掛かりません。
楽しみにお待ち頂いたお客様をがっかりさせないよう、
少しでもミスをなくせる方法を採用しています。
 

2014年9月15日月曜日

子供部屋への想い

かわいい靴が並んだイギリスからの輸入生地。
ご夫婦でお使いになるお部屋よりご予算を優先して、
子供部屋にお選びになりました。
『子供部屋にこだわりたい』のは、
もちろん愛する我が子がかわいいからだと思います。
でも、お母さんにとってお嬢さんのお部屋は、
『自分が子供の時に作りたかったお部屋』だったりもします。
子供の部屋であり、過去の自分の部屋でもあるのです。
スタッフと話しながら考えた今回のプラン、
きれいに仕上がるよう、細部まで気を付けながら縫製指示書を書きました。
あとは『お二人』の笑顔を待つばかりです。
 

2014年9月13日土曜日

U様発注しました

発注書を書く前に必ずやること。
それはカタログでのデータチェックです。
生地巾、リピート、組成などが当店のデータと違っていないか確認します。
当店のような小さな店でも数百のサンプルがあり、
それらは全て私とスタッフの手入力です。
間違いはあってはいけませんが、無いことを前提にしてもいけません。
ほんの数分の再確認を怠らないことが重要です。
 

北欧プリントと仕上がり丈


こちらはご新居の各室にマリメッコのカーテンを選ばれたI様の発注書です。
北欧のプリント生地は版ずれやロッドによる色の違いなど、
工業製品としての完成度という目で見れば問題点が色々とあります。
(この点を問題点と捉えるかどうかが日本とのギャップでもあるのですが)
寝室に選ばれたロッキは縦リピートが114㎝という日本では考えられない大きさ。
仕上がり丈はリピートを考慮して決めましたが、
心配なのは『本当にそのリピートで仕上がってるの?』という点です。
もし違っていたら、次の柄が少しだけ見えてしまったり、
柄の最後が切れてしまったりすることも考えられます。
そこで、備考欄にはその旨と『生地到着後に柄位置を確認させてください』という
お願いを書き加えました。
良い感じで仕上がるように慎重に進めます。
 




2014年9月12日金曜日

難易度の高い縫製

縫製担当のart-k後藤です。


オーガンジーの二重、刺繍、非常に手の込んだ作りの生地。

裁ち端で試し縫いを繰り返し、


アイロンや捨てミシンを予め掛けてからのお仕立てでした。

2014年9月11日木曜日

カーテンと照明のセミナー

今日はスタッフと秋葉原へセミナーを受けに行って来ました。
照明のコイズミさんとカーテンメーカーの川島織物セルコンさん、
レールメーカーのトーソーさんの3社が合同で行った『光とカーテン』を
テーマにしたセミナーです。
照明については一度きっちりと基礎知識を学んでおきたかったので、
一人で行こうかなと思ったのですが、隣に居たスタッフが、
『講師が玲子さんです~!斉藤さん、行きましょう!(迫真)』と言うのでびっくり。
実は、カーテンの講師を務められた㈱ダルクデコの木村玲子さんは、
当店が時折施工のお手伝いをさせて頂いている業界のトップコーディネーターなのです。
正確には、『施工のお手伝い』と通じて、
私どものスキルアップのために打ち合わせやプランニングを見せて下さっている
という言い方が正しいのですが(苦笑)。
今回のセミナーでは、生地の持つ魅力やカーテンで空間をコーディネートする意義、
そしてプロとしての仕事への向き合い方についても話をされていました。
ほんの少しですがリアルに現場を見た者として思うのは、
参加した方が単に施工例の素晴らしさに目を奪われて終わるのではなく、
その裏側にある『写真には写らないこと』こそ、僕らが学ぶべきことなんだと言う事です。
セミナーではそうしたお話も数多く散りばめられていて、とても素晴らしい内容でした。
また、照明を担当されたコイズミさんのお話も非常に分かりやすく、2時間があっと言う間でした。
唯一の失敗は午前の部に申し込んだこと。
1時半まで仕事して6時起きは辛かった~(笑)。

2014年9月10日水曜日

お仕事は滞り無くっ


縫製担当のart-k後藤です。


最後の仕上げ工程を待つカーテン。

私の投稿はご無沙汰しておりました。ごめんなさい。
ご依頼頂いておりますお仕事は滞り無く、いつもと同じお仕立てで。


プライベートでは変化がありまして・・・



娘が二人になりました(^^ゞ

N様の2Fレース

こちらは茅ヶ崎市のN様のレース。
今日、監督様から窓上のブラケット照明とレール取付の納まりについてお返事があり、
発注をしました。
こちらのレースの裾は、刺しゅう部分まで裏側へ折り返しています。
折り返し無しのウエイト巻きロックでは裾が貧弱な感じになり、
10センチの折り返しではその部分だけ重なる感じがキレイではないためです。
こちらは家事室に付けるカフェカーテン。
同じ生地ですが、裾は短くカットして刺しゅうより下の寸法を短くします。
仕上がり丈が短いため、ベランダ窓のカーテンと同じように作ると
刺繍の位置が高くなり過ぎてアンバランスになるからです。
お客様が完成品をご覧になった時に違和感を感じないこと。
そして発注前に完成品をイメージして、その可能性がある箇所を見つけ出すこと。
そうしたプロセスを踏むことで、完成度はグッと上がります。
 

2014年9月8日月曜日

U様カーテンの柄位置

色々な事を確認しながら、少しづつ発注をしていたU様のカーテン。
本日、最後の発注を終えて全商品の手配が完了しました。
こちらは階段にお選び頂いたカーテンの発注書です。
柄合わせの条件を満たしながら必要なm数の他に、
縦リピートの半分の0.3mを取りました。
大きな絵のような柄ですので、
最小m数だけでは良い柄位置が取れないかもしれないからです。
当店の縫製指示書は生地情報と仕上がり寸法を入力すれば、
自動的に要尺が出てくるようにしていますが、
一つ一つの確認と修正がとても重要です。

N 様用打合せメモ

こちらはスタッフがN様の現場打ち合わせに伺った際のメモ。
各窓ごとに使用するレール、生地名、
ブラインド等の品番や操作と取付位置(手前・奥)、
残布でお作りするカフェカーテンのヒダ倍率や丈、耳立ての長さなどが
詳細に書かれています。
カフェカーテンを残布でお作りする場合、
お客様も軽い感じでお願いするケースが多いのですが、
『残布で作る=アバウトで良い』という訳ではありません。
特に仕上がり丈やヒダ倍率は外からの視線を守る意味でも
細かな打ち合わせが必要になります。
様の場合も、窓によって様々な仕上がり寸法になっていました。
我がスタッフながら、サスガです。
 
発注は本日ほぼ完了しております。
あとはブラケット照明との納まりについて監督さんからのお返事が来次第、
2階リビングを発注して完了です。
最後まで慎重に進めたいと思います。
 

2014年9月6日土曜日

Y様タッセル

こちらはY様がリビングにお選びになったオパールレースとドレープ。
レースを手前にしたフロントレーススタイルです。
この場合、当店では2つの生地を重ねて一体縫製したタッセルをご用意します。
ドレープ、レースのどちらを束ねる場合でも違和感がなく、
ちょっとしたポイントにもなります。
生地の組み合わせも素敵ですが、納品時は是非タッセルにもご注目ください。

O様ロールスクリーン

ブラック&ホワイトでお決めいただいたO様のロールスクリーン。
生地や色による透け感の違い、
色や織り方によるテイストの違いなど、
様々な事をご説明しながら2つの生地に決定しました。
同じサイズの窓が多いので、
黒のイメージが強すぎた時の交換シミュレーションも。
新店舗や現店舗のリニューアルの度にお声掛け頂いておりますので、
O様が当店に期待しているものは何か?を考えながら、
お店作りのお手伝いをしています。
それにしても、開店前のお店に行くと3年前を思い出します。
毎日朝から深夜まで、開店準備で大変でした(今も勤務時間は同じですが…苦笑)
と思ったら、今日は私が3年前に開業届けを出した日でした。

2014年9月3日水曜日

I様発注確認

こちらは昨日発注書を起こしたしたI様の明細書です。
チェックマークがついているのは、
スタッフが発注書の記載内容に間違いがないと確認した印です。
 
 
こちらはFAX後に取引先からきた納期確認。
取付工事日に全商品が間に合うかはもちろん、
全ての商品がちゃんと取引先に届いているかが分かるように、
返信が来た商品の全てに日付を書き込みます。
全て順調に進んでおりますので、安心してお待ちください。

U様発注しました

 
本日現場打ち合わせをしたU様の採寸用紙です。
お引渡しまで日がありませんので午前中に全ての確認を済ませました。
午前と午後では納期が一日違ってしまう為です。
とは言っても、焦らず丁寧に。
パソコンの画面上で確認、印刷して再度確認、発注書を書いて確認です。
 
まだ日付は入れておりませんが、
全商品、納期に問題なく納品可能です。
出来上がりを楽しみにお待ちください。

2014年9月2日火曜日

Point of no return!

カーテンレールをトリプルで付けてドレープはリターン付き。
家の構造上、リターンは17センチになります。
そこで窓側にダブルで付けるドレープ側のレールキャップにも
ピンフックを差し込むようにして垂れを防ぎます。
一番手前のレールの取付位置をキッチリと決めておかないと
ピンフックの位置とずれてしまうので、
採寸用紙で何度も確認します。
 
腰高窓はシングルの装飾レールにリターン付き。
壁面に金物を取り付けてピンフックを引っ掛けます。
金物を決める前にピンフックの位置を決めていますが、
これはカーテンの端には耳の折り返しが約25㎜あり、
それを避けながら端から離れ過ぎない位置でないといけないためです。
E様がご旅行中の間、私は金物探しの旅に出ます(笑)
寸法は確定させましたので、もう後戻りは出来ません。
 
リターンはE様のご希望でしたが、
私が『いいですね~』と言ったのはお選びになった生地とリターンの相性が良いからです。
モダン系の横段のドレープにサイドリターン。
とてもカッコ良いと思います。