2018年1月30日火曜日

下請けの高み


明日はお取引先工務店様の工事です。
新しく出来たモデルハウスのカーテンを取り付けます。
当店ではこうしたお取引先が何社かあるのですが、
みなさん、「+PLANさんは評判が良いから」とご注文をくださいます。
きっと、色々な会社から「是非当社で」と言われているはずなのです。
そうした中でお仕事を頂けるのは、とても光栄なことだと思っています。
建築業界は下請け(とは最近は言わず、協力業者と言いますが)を
軽んじる傾向があって、私はそれがあまり好きではありません。
取引先に切られずに継続的に仕事を頂くということは、
とても大変なことだからです。
そして下請けという仕事にプライドを持って臨むことが
カーテン屋の存在感を建築業界で高めることだと思っています。

2018年1月27日土曜日

目玉から定番へ

今月は輸入生地をお選び頂く方が多くいらっしゃいました。
T様は北欧のフォグリングストゥールと、
イギリスのブランドクラーク&クラークのガーデニングです。
北欧ブームは落ち着いたというより、
定着したという方が正確かもしれません。
昨年末、展示会の帰りに新宿の伊勢丹で行われていた北欧フェアに
スタッフに寄ってきてもらったのですが、
女性の来場客でとても賑わっていたそうです。
日本の住宅との相性も良く、
当店でも以前のような『目玉』(例えが古い?)というよりも
『定番』としてご紹介し続けたいと思っています。
さて、もう一つのクラーク&クラークの生地は
イギリスからのお取り寄せ。
そろそろアートケイさんに生地が到着する頃です。
出来上がりまでもう少しお待ちください。


2018年1月26日金曜日

そのスライダーをスタンドへ

10時間の工事が終わり、
自宅でビール(正確には発泡酒)を飲みながら食事をしていると、
次男が泊まりに来ている友人とリビングに来た。
「コイツも野球部なんだよ」
「あ~、そうなんだ。夏の試合も出てたの?」
「いや~それが…」
ずっと4番を打っていたそうだが、
色々あって最後の大会はスタメン落ちしてしまったらしい。
彼のチームの4番は今年プロ入りしたH君だったから、
その実力は相当なものだろう。
実際、あの甲子園を沸かせた広島のK高校との練習試合でも
4番として5打数3安打だったそうだ。
「卒業後はどうするの?」
「大学で野球やります。××大学で」
「それはスゴイ。大学って全国から有名な選手が集まるけど、
意外と強豪校の選手は伸び悩むから十分チャンスあるよ」
「そうですかね」
「絶対ある。目にもの見せてやろう」
「そうっすね」

大学でスポーツを出来る人は選ばれた人たちだ。
実力はもちろんのこと、
高校時代に嫌になるほど練習をして、
毎日毎日やめてやると思いながら歯を食いしばり、
友人たちの楽しかった休日の話や話題のテレビの話にはついていけず、
卒業が近くなると「俺の高校生活は部活しかなかったな」と後悔し、
それでも尚、あと4年間それを続けるんだという強い意志を持つ者だけが、
大学でスポーツをする権利を有せる。
それは自分を信じる力だと思う。
だからもし、その選択が既に決まったことなのだとしたら、
そんな勇者に他人ができるのは、応援することだけだ。
その意思が間違えではないと(本当はその選択が人生を変えるほどの失敗になるリスクがあることを知ってはいても)、言ってあげることだと思う。
「東都ならきっとスカウトも来る。それは君じゃなく、他の選手かもしれない。
例えばそういうピッチャーがいてさ、その決め球のスライダーをスパーン!と
オリックスの吉田みたいな打球でスタンドに運んでさ、」
「おれ、吉田大好きです」
「最高だよな~。で、そしたらさ、ネット裏のスカウトが…」
「誰だあれ、みたいな?」
「そうそう」
彼の4年間の原動力が、苦い思い出ではなく、
夢に向かうものであるように切に願う。


2018年1月24日水曜日

真剣に考えないと見えてこないもの

こちらはA様のリビング。
手前のFIXと奥の掃き出し窓は高さが180㎜違います。
大きい窓の方が高いのであれば良いのですが、
今回は小さい窓(手前のFIX)の方が高かったので、
奥の掃き出し窓のレールを高めに付けて生地の上端を合わせました。
パッと見た時に違和感を感じないというのは
私たちがプランを作る時にとても気にする点で、
そこに気づくかどうかは経験が必要です。
正確には、経験だけではなく、
その現場を自宅と同じくらい真剣に考えられるかの方が
重要かもしれません。
真剣に考えないと見えてこないものって、現場にはあるんですよね。

2018年1月21日日曜日

どちらかを捨てることなく

T様にお選びいただいたのはフランス製の刺繍生地。
ほぼ工芸品に近いクオリティです。
スタッフがお部屋のイメージをお聞きし、
ご主人と奥様のお二人に気に入って頂ける生地をと、
ご提案しました。
ご夫婦でイメージが異なるケースは珍しくないのですが
(と言うよりも、その方が多いかも)
どちらかお一人のご希望を選ぶのではなく、
お二人に気に入って頂けるように心がけています。
カーテンは最後の仕上げですので、
心残りのある終わり方は
家づくりのストーリーのエンディングには相応しくありません。
きっと素晴らしいお部屋になると思います。
出来上がりを楽しみにお待ちください。


2018年1月20日土曜日

リネンのカーテンフェア

本日から2月18日まで、
麻のカーテンの人気ブランド「リフリン(Lif/Lin)の
フェアを開催中です。
期間中は全柄の長いサンプルを展示しておりますので、
麻独特の風合いをご覧頂けます。
また、サンプルをご自宅にお持ちしての「生地合わせ」も
しておりますので、
是非この機会にご来店ください。

2018年1月16日火曜日

ハードもソフトも

こちらは昨年の現調時に撮影したN様の現場。
正面の滑り出し窓はオペレーターハンドルがあるので
窓枠の中にメカ物を付けることは出来ません。
必然的に正面付けとなり、窓枠から少し長めに出てきます。
もしここで右の腰高窓のレール普通に付けると…
エアコンが入らない事態になります。
しかし、滑り出し窓を正面付けすると
今度は左側のクローゼットの扉が全開にならない可能性が…。
こちらは扉が付いてから現物を持って行って確認です。
こうした見逃しがちな点をお客様に代わってカバーするのが
私たちの専門家の仕事でもあります。
そして最も重要なププランニングは、
N様から全幅の信頼を頂いたスタッフが
きっちりとご提案をさせて頂きました。
既にリビングの北欧生地も製作にかかっております。
出来上がりを楽しみにお待ちください。



2018年1月13日土曜日

追憶の5円玉

例えば遠い場所で何気なく寄ったコンビニの店員さんとか、
電車で向かいに座ったビジネスマンとか、
車で信号待ちをしている時に前を横断する学生さんとか、
そういう人たちとほんの一瞬、同じ空気の中にいた時に、
「あ~、この人とはもう一生会わないんだろうなあ」という
当たり前のことを思うことがあります。

中学を卒業する時に、
青春18切符を使って一人旅をしたのですが、
そんなことを先日母親と話していて、
「俺が帰って来た時に、一番の旅の思い出って何話してた?」と聞いたら、
大阪で鈍行に乗っている時に、向かいのおじさんに話しかけられたことだと。
そこまで聞いてもなかなか思い出せずにいたのですが、
続きを聞いた瞬間、その光景を鮮明に思い出しました。
「ニイチャン、一人で旅行してるのか?それはスゴイな。
これもなにかのご縁や。これ、旅のお守りにとっとき」
おじさんはそう言って、僕に5円玉をくれたのです。
そして中学生の自分が、初めての一人旅を孤独を感じずに楽しめたのは、
あのおじさんが旅の楽しさを教えてくれたからかもしれないと、
その時初めて気づきました。

今日、アートケイさんから今年第一段のU様のカーテンが届きました。
こうしてご縁を頂いたことに感謝して、
あのおじさんの5円玉のように、心の奥底に何かを残せるように、
きっちりお届けしたいと思います。


2018年1月9日火曜日

肝心なところは忘れませんが


メカ物だけでも25台というS様、
台数が多いので確認点や注意点なども多岐にわたります。
少しでも分かりやすいよう
窓のサムネイル写真を入れた一覧表をお作りしたり、
時には設計士さんとお話しして網戸の種類を変えて頂いたりと、
熱量も情報量も薄まらせずにお打合せをさせて頂きました。
発注書も一つ一つ、何度も確認しながら慎重に進めております。
採寸表を何度も見ていたので、
窓の寸法も、ほぼ全て記憶しました(笑)。
我ながら記憶力は衰えていないようです。
今日は月曜日だと思っていましたが(苦笑)



2018年1月8日月曜日

熱波が消してくれたもの

『オーストラリアに熱波』というニュースを見て、
27年前(!)、オーストラリアをバイクで走っていた時のことを
思い出しました。
当時も記録的な熱波が来ていて、昼間の気温が50度を超えていました。
ニュースでは救急車で搬送される人々と、
亡くなった方の数が連日報道されるほど。
私も熱波対策で長袖のパーカーを着ていましたが、
走行風によって袖の部分が知らぬ間にめくれ、
気づくと重度の火傷のように肌がただれていました。

オーストラリアの内陸部は、
走っても走ってもひたすら地平線です。
200キロほど走ると忽然と小さな街が現れますが、
そこから次の街までの200キロは、またひたすら地平線です。
風景の変化は脳に刺激をもたらすのだと、あの時初めて知りました。
何時間も変わらぬ風景と暑さで意識が何度も遠のくからです。
そんな中を1週間ほど走った時、劇的過ぎる変化が訪れました。
地平線の向こうが真っ暗になっていて、
数えきれないほどの雷が落ちているのが見えるのです。
通過した街まで100キロ戻るか、それとも突っ込むか。
勇気を出して突入すると、周囲は暗黒の世界になり、
日本でいう大型台風なみの強風、そして自分の周りをガンガンと落ちる無数の雷。
通過して次の街に着きバイクを降りた時、
自分の手は恐怖で震えていました。
翌日、風で倒されたコンボイが道路を塞いでいましたので、
やはり相当な強さだったのだと思います。
そして、その日もまた同じ目に合うのですが(笑)。
精魂尽き果てて、道路から少し離れたところに10m位の高さの丘を見つけ、
そこでテントを張ろうとしました。
(土の部分は毒グモとかサソリが出るので)
そしてそこに足を踏み入れた瞬間、地面がウワッーと舞い上がりました。
私が地面だと思っていたのは、大量のバッタでした。
でも、もう街まで走る気力もなく…。
とにかく眠りたいという一心でそこで寝ました。
陽が落ちて明かりを付けたら大量のバッタアタックを受けるというおまけ付きで。
もう考える気力が無いので、「はいはい」って寝ましたが(笑)。
そして翌日、やっぱりというかなんというか、
また同じように地平線の向こうが真っ暗になり…。
今でも分からないんですが、
何で3度とも突っ込んだのだろうと。
50度の熱波と嵐の連続で、立っているだけで精一杯だったのに。
ああいう場所にいると、日常的な判断力とは違う世界に入ってしまうのかもしれません。

そこから1週間ほどしてバイクは壊れ、
結局オーストラリア1周は失敗するんですが、
それで良かったのかなと今は思っています。
誰かから「スゴイね」と言われたいがための旅がやめられたのは、
あの熱波のお陰かなと思うんですよね。


2018年1月4日木曜日

お休みの最終日に決まる今年の教訓

新年明けましておめでとうございます。
お休み中は朝の6時に起きて、ひたすら地元の海へ行っていました。
寒さで海面から湯気が立つ中、ウエーダーを履いて海へ入り、
朝日に向かってキャストする爽快感は格別です。
狙っているのはヒラメやマゴチという、フラットフィッシュと言われる魚。
朝まづめの約2時間、小魚を食べにきたところをルアーで狙うのですが、
まあこれがなかなか釣れない釣りで…(涙)。

そんな中、お休み最終日の昨日、ついにやりました!
波がかなり高かったので、
しっかり泳ぐ大き目のルアーで遠投し、
波に合わせてゆっくり目のショートジャーク、
波が下がっている時はカーブフォールでいこうと始めた3投目。
2回目のフォールでゴンッ!と。
上がってきたのは50㎝ほどのマゴチ。
フックを外してゴミ袋に入れ、
(地元民は釣ると自宅へ帰るのでクーラーボックスは持たないのです)
さて帰ろうとおもったその瞬間、
「まだ3投しかしていなし、もうちょっと…」
と、思ったのがダメでした。
波打ち際に袋を下ろして海水を入れようとしたら……逃げちゃった!
こんな時に限って写真も撮っておらず、
釣り好きの息子には「ダセェ~」と言われる始末。
今年の教訓。
「最後まで気を抜かない」
胸に刻み込んで頑張りますので、今年もよろしくお願いします。