最近、とっても気になる二人の方の物語が始まりました。
1つはマリメッコの創始者であるアルミ・ラティアの半生を映画化した『ファブリックの女王』。
ラティア(正確には夫妻ですが)は、戦後の暗い時代だったフィンランドを明るくしようと、
鮮やかな色使いでデザイン性に富むファブリックを発表し、注目を浴びます。
マリメッコの色使いは『北欧だから』明るいのではなく、明確な意図があったのです。
もう1つはNHKの朝の連続ドラマ小説『とと姉ちゃん』。
暮らしの手帖の創業者の大橋鎭子氏がモデルです。
戦後のくらしがどうあるべきか、物があふれる時代に何を基準にそれを選ぶべきかを
読者に投げかけ続けた方です。
幼少期に母が購読していて、納戸にはバックナンバーが揃っており、
私は時間があるとなぜかそれをよく読んでいました。
炊飯器やトースターのテストをする紙面を小学生の男の子が読んでいたわけです。
そんな思い出が蘇ったのは数年前。
その紙面が中立性を保つために企業広告を載せていなかったという事を知った時です。
当時の僕にはもちろんそんな背景は分かりません。
でも、紙面からにじみ出る緊張感、物に対する真摯な姿勢が、
1つの魅力的な文章となって映ったのだと思います。
昨夜、熊本を大きな地震が襲いました。
私にとって熊本は、2年前に初めて(まともな)家族旅行をした時も、
無理を言って熊本にしてもらったほどの思い出の地です。
今も不便な生活を強いられている熊本の皆様が
一刻も早く元の生活に戻れること、
そして戦後にラティアや大橋鎭子が苦しさの向こうに道しるべをつくったように、
インテリアが少しでも力になれることを祈ります。
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