昨日は父の33回忌でした。
月並みな言葉ですが、早いものです。
父が癌であり余命が半年であること。
亡くなる前に最後の力を振り絞って紙に何かを書いてくれたこと。
最初に書いた私の名前だけが辛うじて分かる文字で、
その後は判別不能であったこと。
その後の言葉は自分で決めようと思ったこと。
部活の帰りの真っ暗な田んぼ道で、
チームメイトと別れた途端に泣いていたこと。
あれから32年も経つのです。
息子に『33回忌ってどんな意味があるんだろうね?』と言ったら
スマホで調べてくれました。
『全ての罪が許されて、極楽浄土に行けるんだって』
その時なぜか、私は父ではなく自分のことを考えていました。
夜、寝室に行こうとした時に階下で母親がトイレに行くのが見えました。
私は母が出るのを待って、階上から声を掛けました。
『おばあちゃん、32年間お疲れ様でした』
母は嬉しそうな顔をしながら
『何もしてあげられなかったけどね』と言いました。
同じ階にいたら、きっと言えなかった言葉。
母に迷惑をかけた罪滅ぼしに、少しはなったのだろうか。
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