2013年4月8日月曜日

お手本

今日はレールメーカーの職人、Kさんと共にY様のレール先行工事でした。
Kさんは僕のお手本となった人です。
午前中は当店でバランスレールのカットや仮組みをしていました。
ふと、カットしたレールを見るとバランスレールのマジックテープ部分に
カットした際に付く鉄粉が全くありません。
「やっぱり裏からカットだよね」と言うと、Kさんは笑って照れていました。
カット後はバリを取るやすり掛け。
どちらも、やらない人が殆どです。
僕はやっていますが、それは僕が販売者でもあるからです。
お客様を知らない職人が、見られることも評価されることもない部分を
丁寧に仕事することは、とても大変なことです。
マグネットランナーのオス・メスをドレープ用とレース用で向きを合わさないと
気が済まないのも、おそらくKさんだけでしょう。
 
工事も終盤に差し掛かった頃、
2階を終えたKさんが1Fの僕の応援に来てくれました。
まだ付けていないバランスレールを持って玄関へ。
数分後、「斉藤さん、ビスもらっていいですか?」と聞くので、
僕はてっきり手持ちのビスを切らせたのかと思いました。
それを察したのかKさんは言いました。
「ビス、揃えた方がいいでしょ?」
 
こういう職人が一部の、「一日の内、1件でも1窓でも多く現場をこなして欲しい」と
要望する方から「工事が遅い」と言われることは本当に残念です。
内装系の職人はともすると、
「自分は一日で何件やれる」
「自分は戸建ての新築工事なら〇時間で出来る」という
スピード自慢になりがちです。
そうじゃないよ、と僕に教えてくれたのはKさんであり、
今もそれは変わりません。
 
帰り際、予備の部材をきれいに一まとめにした箱を
Kさんから渡されました。
店に戻って片づけをしていたら、
マグネットランナーのメスが元々入っていた箱に入っていました。
僕がオスだけを頼むのを間違えてオス・メスで取ってしまい、余ったものです。
「メスは今後も使わないから捨てちゃいます」と言ったのになあ(笑)
 
 

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