2018年4月1日日曜日

ピンポイントを狙ったり、ちょっと戻したり


昨年、今年と本当に助けられているアイテムが
マナトレーディングさんのトリム&タッセルです。
どのアイテムも、「まさに今だよね」という抜群のセンスです。
少しでも行き過ぎると外れてしまう微妙なラインを
キッチリと掴んでくれます。
Y様の現場では、ともすると甘過ぎな感じになりそうな生地に、
あえてトリムを足すことで、テイストを戻す役割を果たしてくれました。
通常だとさらに甘くなるはずが、そうならないのがスゴイのです。
出来上がったカーテンを見て、お客様もとても驚かれていました。
とても良い感じです。

2018年3月31日土曜日

遮熱の打ち合わせの大事なトコロ


M様のリビングの吹き抜けにロールスクリーンを付けました。
目的は遮熱ですが、遮熱用の生地ではありません。
ご来店される前には、
既にM様ご自身で遮熱用の生地サンプルをメーカーから取り寄せられていて、
商品や遮熱に関する知識も十分にお持ちでした。
そして私とM様がお話しをしたのは、
その性能が果たして必要か、
性能の良いものを付けることによる欠点は何か、でした。
遮熱の打ち合わせは単に高性能のものを勧めることではありません。
現場やお客様ごとに異なるベストな商品を見つけ出すことなのです。

2018年3月30日金曜日

小さな主役(2)


ダークブラウンの梁とグリーンのキッチン。
ざっくりとした質感のグリーンのカーテンと
ダークブラウンのバンブーブラインド。
スタッフとH様が作り上げたイメージの最後の仕上げは、
タッセルです。
カーテンとブラインドだけでも確かに合います。
でもタッセルには「このお部屋は〇〇なイメージです」という
メッセージを込めることが出来ます。
これ一つでお部屋のアイテムが違って見えたりもします。
特に、プレーンな生地には必須のアイテムと言えますね。



2018年3月28日水曜日

小さな主役

シンプルでホテルのようなラグジュアリー感がご希望のM様。
こうしたケース少しカーテンをお安くしてでも、
タッセルにコストを掛けるのが得策です。
和室の帯紐やスーツのネクタイなどもそうですが、
小さいものを目立たせると、
人は自然とそこに目がいきます。
そして、その小さいアイテムが全体の印象を決めたりもします。
小さいですが、お部屋の中で最も目立つ存在でもあるのです。

結果を出す男

なんだかんだで、気づけば法事以外に休みの無かった3月、
それでも5時に起きて行ってしまうんですね。海に(笑)。
仕事前の2時間だけの朝マヅメ勝負。
色々な条件が揃わないとダメなので、月に2、3回だけですが。
朝日を見ながら釣りをするのが好きなので、
12時帰りが常態化していると、そもそも睡眠時間的に難しかったり。
大潮だと嫌だったり。
長潮でも嫌だったり。
そんなこんなで条件が揃ったピンポイントで結果を出す男!

潮目の通った良い場所にいた先行者が移動したところで、
誰かが叩いたあとはキツイかなと思いつつ移動。
下げが効いて浅めの水深、
濁りがなく波の低い海を考慮して
ブレード付きのルアーで水面下1m位をリトリーブ。
そしてフワッ、フワッとゆっくりで小さいダートからのストップ。
キラキラっと見せてから、フワッ、フワッ、ピタッ。
キラキラっと見せてから、フワッ、フワッ、ピタッ。
キラキラっと見せてから、フワッ、フワッ、ピタッ。ゴン!
前回のヒラメは長男が友達と食べてしまい、
次男がマジ切れ(笑)していたので、今回は全て次男向けのお刺身に。
アラで出汁もとってお茶漬けもありの贅沢仕様になりました。
ちなみに私は釣った魚は食べません。
情みたいのが湧いてしまい、どうも苦手で(笑)。

2018年3月26日月曜日

付いてしまえば分かりませんが


バルコニー窓に付けた一本の装飾レール。
付いてしまえば「ただ付けただけ」ですが、
考えに考え抜いての取付となった窓です。
採寸時に気になったのは左上の「火打ち」です。
窓の内側に来ています。
と言うことは…窓の横に柱は無いということになります。
左側のコンセントも窓から柱分以上に離れています。
窓の左の壁面は530㎜、窓寸1530㎜、窓の右の壁面665㎜、
合計2725㎜。
右壁面665㎜-4寸柱(120㎜)-石膏ボード(12.5㎜)=532.5㎜
ということは一間半の壁で左右均等の壁面なので、
中央はビスが効くことになります。
両端は530㎜-455㎜=75㎜窓から逃げている計算です。
お客様にお聞きしたエアコンの品番からネットで寸法を確認し、
レールがエアコンとブラケット照明のアームの間に収まり、
尚且つビスが全て効くという判断をしました。

残る問題は取付高さです。
左下がりの傾斜天井の線、火打ち、照明。
そこにさらに装飾レールの線が加わると見た目がごちゃごちゃします。
ブラケット照明より低い位置にレールが来るのも変です。
上に来た場合でも、火打ちと照明との位置関係が自然に見えることも重要です。
色々なパターンを計算した結果、
天井のラインに合わせることにしました。

レールの位置を決める際に書いていたメモです。


我ながら「よくやるなぁ」と思います。

2018年3月25日日曜日

デザインカーテンの心構え

こちらはM様の寝室にお納めしたレースカーテン。
裾と本体を違う色で組み合わせています。
ドレープ(厚地)でも最近多くなった仕様ですが、
レースにはレースならではの注意点があります。
1つは切替部分の処理。
ジョイント部分は2つの生地を小さく摘まんで縫い合わせますが、
レースの場合はそれが透けて見えてしまいます。
そこで切替部分にはバイアステープなどを当てて隠します。
色が透ける分、切替の印象も弱くなりますので、
強調するためにも必要な処理になります。

また、裾は切替部分までの長い折り返しにします。
通常の長さ(10cm)にするとその部分だけが濃くなり、
3色に見えてしまうためです。
この重なりによってモアレが出来、
水面のような美しさを見せてくれます。

こうした処理は「見た目を悪くさせない」というよりも、
「生地の持つ美しさを引き立たせる」視点が重要です。
デザインを考える側の身勝手な手法は、
生地の魅力を殺すことになってしまうんですね。
と言うことを私は自分で見つけたのではなく、
大先輩に教えて頂きました(苦笑)。
プランを考えるときの、私のベースになっています。


2018年3月23日金曜日

33回忌

昨日は父の33回忌でした。
月並みな言葉ですが、早いものです。
父が癌であり余命が半年であること。
亡くなる前に最後の力を振り絞って紙に何かを書いてくれたこと。
最初に書いた私の名前だけが辛うじて分かる文字で、
その後は判別不能であったこと。
その後の言葉は自分で決めようと思ったこと。
部活の帰りの真っ暗な田んぼ道で、
チームメイトと別れた途端に泣いていたこと。
あれから32年も経つのです。
息子に『33回忌ってどんな意味があるんだろうね?』と言ったら
スマホで調べてくれました。
『全ての罪が許されて、極楽浄土に行けるんだって』
その時なぜか、私は父ではなく自分のことを考えていました。
夜、寝室に行こうとした時に階下で母親がトイレに行くのが見えました。
私は母が出るのを待って、階上から声を掛けました。
『おばあちゃん、32年間お疲れ様でした』
母は嬉しそうな顔をしながら
『何もしてあげられなかったけどね』と言いました。
同じ階にいたら、きっと言えなかった言葉。
母に迷惑をかけた罪滅ぼしに、少しはなったのだろうか。

2018年3月22日木曜日

ノルディの取付方法

トーソーさんにお会いするたびに、
「リングランナーも木製の、細めのロッドの木製レールで、
北欧系やナチュラルビンテージ系に合う木製レールを作って~」と
呪文のようにお願いしていたら、
まさにこれ!とばかりに登場した新商品、ノルディ。
素晴らしい出来栄えなのですが、難点が一つ。
一番端のリングランナーが落ちないように必要な透明のテープ。
これはチョット…ということで、
当店ではポールの斜め後ろに隠しビスを打っています。
ビスの位置と長さを調整すれば、後ろに回らない限り見えません。
メーカーさんの仕様のままに取り付けて、
「これは仕方ないんですよ」というのもアリかもしれませんが、
大抵のことは何らかの解決方法があるものです。
大事なのは、解決しようとするかどうかだと思います。

2018年3月20日火曜日

椅子の張替え


I様のダイニングチェアーの張替をしました。
今回はカーテンとご一緒のご依頼でしたので、
色を合わせてのご提案です。
自由が丘のインテリア山田さんに、
きれいに張り替えて頂きました。
椅子の背は微妙にカーブしながら淵回りも曲線を描いていて、
納まりがとても難しい仕事です。
I様にもとても喜んで頂けました。

2018年3月18日日曜日

障子をレースに

障子を外してレースカーテンに変更されたU様。
トーソーのウインピアを溝にはめる方法で取り付けました。
これまでも何度か施工したことがあるのですが、
専用?って思うほどにピッタリはまります。
真壁の和室の場合、どうしてもレールが浮いてしまうので、
この方法がベストです。

2018年3月16日金曜日

成長の証

私がこの業界に入る前に勤めていた会社の同僚M君から依頼があり、
ロールスクリーンを付けてきました。
当時の部署は若い人が多く、
皆、個性と才能に溢れ、そして仲が良かった。
ある年の、梅雨がそろそろ開けそうだという時、
Mが「湯河原の海開きで、いかだレースやるんすよ」と
何気に言った一言がそもそもの始まりでした。
なぜそうなるのか今でも良く分からないが、
「出るか!」となり、
休日はMの家に集まって、特に設計図もないままに勘で作り始めました。

それは角材を買いに私と同僚のKで、ホームセンターに行った時のこと。
長い材料なのでMのお父さんの軽バンを借り、
後から角材を入れて私は先に運転席へ。
ですがKがなかなか助手席に戻って来ません。
「どうしたの?」
「サイトーさん、なんかギリギリ入んないっす」
こういう時に慎重さに欠けるのが私の悪いところで、
「強く閉めれば入るんじゃない?」ドンとドアを押したその瞬間、
前の方でガシャン!という大きな音がした。
「今、何か音したよね?」
「サイトーさん!大変です!フロントガラスが粉々に割れてます!」
そこにはフロントガラスを突き破った角材が…。
「ど、どうしましょう?」
「Kよ落ち着け、ワシントンは桜の木を切った時…」
「サイトーさん、冗談言ってる場合じゃないです!」
真面目に言ったつもりだったんだけど…。

そんなこんなでやっと出来上がったイカダでしたが、
当日の会場にはフルカーボンで出来たプロの力作が集まっており、
完全に場違いな状態に。
私たちのイカダは見事最初の波で大破して終わりました。
あれから20年。
私たちも当時の上司よりもずっと上の年齢になり、
お互い変わんないなあと言いつつも、
きっと変わっているのだと思います。
今回も天井の軽天下地の方向を確認して、
ロールスクリーンの巻直径と窓枠の擦り具合を確認して、
持ち出し金具も事前に用意しての取付け。
あの当時のアバウトな私ではないのです。
仕事に関しては、ですが。

2018年3月14日水曜日

前向きなリボン

こちらはT様のお子様のお部屋のカーテン。
スタッフがリボンのサイズまでキッチリ指定して、
アートケイさんに作って頂きました。
リボンタッセルのリボンは帯の中央に付けると
斜めを向いてしまうため、
すこし端にずらした位置に付きます。
お部屋に入った瞬間、誰もがそこに目が行くような、そんな位置です。
飾っているのは窓ではなく、お部屋なんですね。
そして、朝カーテンを開けるたびに
気持ちを少しポジティブにしてくれそうな、
そんな不思議な力がリボンにはあるような気がします。