2018年3月12日月曜日

仕事を物語る現場

箱根町の強羅駅近くの「ラーメン山ろく」様に
ブラインドを取り付けさせて頂きました。
店舗一面を覆う台数で入隅や自動ドアのセンサーなどもあり、
かなり綿密に計算をしてバッチリと納まりました。
入隅は店舗正面側を長くして隙間が見えないように。
既存のブラインドの納まり加減を見つつ、
今のメカの寸法と比較しながら微妙に調整しています。
脚立に上った際にふと見えた厨房はピッカピカで、
ご主人のお仕事ぶりが見えるかのようでした。
私たち工事をする者もそうですが、
現場がきれいな職人さんは仕事も丁寧なんですよね。

2018年3月11日日曜日

1センチの選択

U様の現場です。
主役はこの窓台でした。
写真では分かりにくいですが、壁から45㎜出ています。
通常の付け方をするとレースが乗っかってしまいます。
そこでちょっと工夫して装飾レールを取り付けました。















白のアイアンレールはスペーサーを付けて取付。

お次はシルバーとブラックのアイアンレール。
こちらはブラケットの形状上、スペーサーが使えません。
そこで…








通常は1つのブラケットで取り付ける
厚地用のポールとレース用のレールを別々に付けました。
この方法だとレース用のブラケットを
通常より1cm長いものにできます。
この1cmの差でレースが窓台に乗るか乗らないかに
大きく影響するのです。
厚地との距離は近くなるので、
ドレープを開閉するとレースも動いてしまう可能性もありますが、
お客様のお部屋の使い方をお聞きして、
普段のレースの見栄えを優先することになりました。


ギリギリの良い感じです。








2018年3月6日火曜日

斜め打ち

K様の寝室に取り付けたロールスクリーンです。
向かって左が傾斜窓になっているため、
生地が窓を覆うためには、
窓のすぐ上に取り付けなければいけません。
その時に問題になるのが、下地です。
「窓の上はビスが効く」というのが一般的な考え方ですが、
この窓上にある下地(通称:マグサ)は、
窓枠よりすこし浮いていることがあります。
これは、窓枠とマグサを金物で固定する工法の時によくある現象で、
以前、このハウスメーカー様を施工した際の経験から、
それは織り込み済でした。
対応策はこれ。
ビスの頭が傾いているのが分かりますでしょうか?
こうして下から上に斜めに打つことで、ビスを効かせています。
通称、斜め打ち。
パッと見は簡単に付けているように見えますが、
取付には色々な工夫が必要です。



2018年3月5日月曜日

welcomeのカーテン

4年前に当店でカーテンをご購入頂いたA様。
お引越しをされるとお聞きしてビックリしました。
お引越し先は今よりも息子様やお嬢様と近い場所。
お孫さんの面倒も見やすくなり、
今よりもっと気軽に行き来ができるようになるそうです。
前回、ご家族の絆の深さをお聞きしていたので、
このA様らしいお引越しだなと思っていました。
買われたのはモデルハウス。
既に家具も入っていて、インテリアのイメージは決まっています。
問題はそれがA様のお好きなクラシックとは違うこと。
そこで、今のイメージからA様のお好きなイメージに少し振った生地と、
今のイメージに合う生地の2つを候補としてお勧めしました。
どちらも気に入って頂けたのですが、
「サイトーさんはどちらが合うと思います?」
聞かれました。
普段なら、最後の選択についてあまり言わないようにしているのですが、
思い切って答えてみました。
「皆さんがより近くなるためのお引越しですので、
お子さんたちが良い意味で自分の家と錯覚するような、
そんなリビングになったら良いなと思います。
そしたらきっと距離的な問題ではなく、
皆さんが気軽に来てくつろげるお部屋になるような気がするんです」
そしてA様もそれに賛同してくださいました。
次にお会いした時、A様が「サイトーさんがウエルカムのカーテンがあるって
言ってくださったから、あの生地に決めたのよ」と笑顔で言ってくださいました。
思わずジンときてしまいました。
これだけ毎日カーテンやインテリアと関わっていると、
自分がそれを好きなのかどうか、正直なところ分かりません。
でも間違いなく言えるのは、この仕事は好きです。

2018年3月1日木曜日

本命


ドヤッ!
42cmのなかなかのサイズのヒラメ。
いつもは河口付近でやるのですが、
離れた場所に潮目と海鵜を発見し、その場所へ。
潮目にはプランクトンが集まり、
それを食べに小魚が寄り、
その小魚を食べに海鵜が来ます。
そしてフィッシュイーターのヒラメも
その下にいる可能性が高いのです。
沖では青物らしき魚がライズしていてかなり活性が高そう。
「これは上まできそうだな」と。
ヒラメは通常は海底にいますが、
小魚を見つけると一反もめんのように体を反らせ、
5m位までは一気に跳ね上がります。
海水温が低くてやる気のない時はダメなんですが。
そんなこんなで予測を立てて、海面から1m位下を
時折チョンチョンとアクションを入れてフォールさせたら、
ゴン!と。
今回はお正月の二の舞にならないよう慎重にビニール袋へ。
休みなく頑張った2月、
午前の予定がポツンと空いた日の夜明け時の1時間。
釣り神様のご褒美でしょう。
そして、結局いつもの通りに出勤してしまうのが悲しい性です(笑)

2018年2月25日日曜日

S様も順調に


こちらはS様の発注書です。
発注をしたら斜線を引き、
取引先から納期返信が来たら、そこに日付を書き込みます。
斜線が日付で埋まれば全てOKということになります。
その横に日付の左横のチョンチョンというマークは、
明細書と発注書の記載が間違っていないかというスタッフのチェック。
カーテンの縫製仕様やメカ物の部品色や操作位置など、
細かな内容を確認しています。
商品は明日、全てが揃いますので、
ここで再度チェックをして水曜日の工事当日を迎えます。
S様からは
「カーテンは自分が好きなインテリアショップで
揃えた方が良いかなと思ってましたが、
来てみて本当に良かったです」とお褒めの言葉を頂きました。
ご期待に添える仕上がりになるよう、
お店の裏側でもキッチリやります。

2018年2月23日金曜日

丁寧な仕事

レガートグランを天付で取り付けるM様。
通常なら先にブラケットを付けてレールをはめ込みますが、
この取り付け方の場合は先にはめ込んだものを取り付けます。
ブラケットのはめ込み位置より本体が立ち上がっているので、
はめるときにレールを斜めにすると天井に当たってしまうためです。

この窓にはもう一つ問題があります。
窓上の壁面が45㎜しかない入隅があるため、
サイドキャップが入らない可能性があることです。
窓枠のツラに合わせる方法もありますが、
そうすると反対側のキャップが壁から離れすぎてしまいます。
そこで入隅側のキャップをカットします。


こうした浮造りの木をそのまま鋸で切ると
一部がめくれてしまうことがあるので、
事前にカッターで切れ目を入れておきます。

入りそうで入らないのが、もどかしい…。
そして先ほど一手間掛けたレールの側面は
誰も見ることができないという(笑)。
手間というのは不思議なもので、
「ここは丁寧に」「ここはざっくりと」と分けようとすると、
知らぬ間にざっくりの比率が増えてしまうんです。
だから見えない部分も丁寧にやることはとても重要で、
そうしていないと、それが自分の標準にならないんですね。
丁寧という言葉は安易に使われがちですが、
本当はとても大変なことなのです。




2018年2月21日水曜日

最後の前日

明日はS様のロールスクリーン工事です。
いつもならここで「床と段ボール箱」という
シュールな写真が入ってくるのですが、
今回は床のみです。
肝心の商品は、明日の明け方に佐川急便に届きます。
建築段階から何度も通ったS様の現場も、明日が最後。
本当に良くして頂き、良い思い出しかありません。
最後もキッチリと仕上げたいと思います。

2018年2月20日火曜日

生地との両想い


現在ご使用になられていないお部屋のカーテンを
探されていたT様。
大好きな北欧生地から候補を何本か選ばれましたが、
どの生地もお部屋に合うので、逆に悩むことに。
『これを機会に、このお部屋の使い方を考えてみませんか?
例えば奥様の趣味のお部屋にされるとか、
セカンドリビング的な使い方をされるとか、
そんなお部屋のコンセプトで似合う生地も変わりますよ」と
お話ししました。
自分をハイにしてくれる生地、
自分にリラックスをくれる生地、
生地にはそれぞれデザイナーの思いがあります。
そして生地がお好きな方は、
無意識にそういうものを感じ取っていらっしゃいます。
だからこそ、そういうお勧めの仕方が良いかなと思いました。
そうして選ばれた生地は、
きっと住む方との両想いになると思うのです。

2018年2月18日日曜日

N様の切替カーテン

N様のカーテンが入荷しました。
当店ではよくご提案する切替カーテンですが、
多いのは裾に柄を使うパターン。
今回は上部に柄をもってきています。
お部屋のテイストや柄のもつ雰囲気、
窓の大きさ、ソファの位置関係等々、
一口に切替カーテンと言っても
様々なことを考えてご提案します。
今回のテーマは、
『少し北欧の入ったカジュアル系ビンテージ』。
良い感じです。


2018年2月17日土曜日

計算中

高校時代は数学の授業が基礎解析から代数幾何に
授業が変わったのに気付かなかった私ですが、
なぜだか今は理系の人扱いされています。
それだけ数字を考えることが多い仕事なんですね。
お客様の大切な家にビスで穴を開けるのですから、
それにはそれ相当の根拠が必要で、
楽観的な考えは出来ません。

今はレガートグランを天付するM様の現場を計算中。
カタログには載っていない付け方です。
ブラケットの納まりがNTブラケットと同じことを計算し、
その上でカタログには載っていない部分の寸法を計算し、
そうなることを想定して事前に入れてくれていた下地と
ビス穴までの距離も確認し、
スペーサーの厚みとレールの高さを確認し、
用意するビスの長さを確認して
「いける!」と判断。
あとは商品が届いたら最終確認して工事に臨みます。
当時の数学の先生が見たら喜んでくれる……のではなく、
「教科書もそのくらい真剣に見ろ!」と怒ると思います(笑)。

2018年2月14日水曜日

短い言葉の中に




















当店は一部のカーテンを福井県で縫製しています。
先日の大雪の影響で納品が遅れておりましたが、
I様のカーテンが入荷しました。
今回はI様の他にもご迷惑をお掛けしたお客様がいらっしゃったのですが、
皆さま「大丈夫ですよ」「斉藤さんが謝ることじゃないよ」と
言ってくださって、本当にありがたく思います。
こうして優しくお声掛けくださるお客様が、
本当に『全然問題ない』とは思っていません。
みなさん、本当は納期通りに来て欲しいのです。
もしかしたら「何とかならないか」と言いたいのを
我慢して下さっているのかもしれません。
だから、そういうことも想像して「大丈夫ですよ」という声を
聞かないといけません。
それが私が分かっているかどうか、
お客様には伝わっているとも思うのです。
『申し訳ございません』
『大丈夫ですよ』
短い言葉のやりとりですが、伝わる物はたくさんあります。





2018年2月12日月曜日

距離と変化


ほんの1m動くだけで、もしかするとほんの少し目線を変えるだけでも、
見える景色って大きく変わります。
学生時代に席替えした時の先生との距離感や、
兄弟で部屋を変えた時の新鮮な感じなどもそうでしょう。
変わるというのは距離に関係なく、新鮮な気持ちにさせてくれます。
同じ市内、それも今のお住まいから徒歩圏の場所へお引越しされるT様。
多くの人に大きな変化が訪れるこの季節の中では、
もしかすると距離的には小さな変化かもしれません。
でもきっと、見える景色は大きく変わるはずです。
だから大事なのは床やクロスの相性よりも、
この場所での新しい生活のイメージ。
カーテンと新生活のイメージがしっくりくることが大事なのです。
T様が生地を選ばれたときの表情を拝見した時、
私も絶対間違いないと確信しました。
きっと素敵なお部屋になると思います。
出来上がりを楽しみにお待ちください。