お得意様の工事を終えたところ、
『あ、そうそうサイトーさん、ちょっと見て欲しいものがあるんだけど』
と言われて数分歩いて案内されたのは、とある不動産屋さんでした。
移転の為の仮店舗は以前は飲食店で、本体建物の横には増床されたスペースが。
天井も壁もすだれで覆われていて窓は無く、不思議に思っていると、
『カーテンの生地で壁と天井を作れない?簡単なので良いんだけど』
という不思議な一言が。
すだれを外せば壁と天井があるのだと思ったのです。
しかし、気軽な気持ちですだれを外すと、何と見えたのは鉄パイプとテント!
これはサスガに無理だろうと思いましたが、
人間考えれば何とかなるものです。
壁は鉄パイプに幅広の桟木を固定し、石膏ボードを貼ってクロス貼り。
上下に廻縁を付けました。
天井はカーテン生地をアートケイさんにジョイントだけしてもらい、
現場でRや歪みに合わせて生地をカットしてタッカーで止め。
天井はタッカーが見えないように、薄い化粧板を短冊状にカットして
天井のRに合わせてしならせながら固定しました。
方法を決める段階でもかなり悩みましたが、
職人さんには頼めない仕事内容でもあるので、
終わった時は本当にホッとしました。
2016年4月20日水曜日
2016年4月16日土曜日
当たり前のようで当たり前でないこと
洋服店を営まれている厚木市のW様がお選びになったのはポルトガルのレース。
エスニックな柄が立体感のある刺しゅうで表現されています。
価格はちょっと(かなり?)お高いのですが、
当店での販売は色違いを含めて3度目。
皆さん、この生地の魅力にはまってしまうのです。
生地の魅力を活かしつつ価格が抑えられるよう、
1つの窓にポイントで使ったり、ヒダを少な目にとったりと
色々な方法でご提案しています。
そしてもう1つ重要なのは加工所さん。
たとえプレーンな仕上げ方でも、
普段から特殊な生地を扱っているところでないと難しいんです。
こうした点も当店がアートケイさんに
オーダーカーテンの縫製をお願いしている理由の一つ。
多種多様な生地を当たり前のように縫製依頼できるって、
実はとってもスゴイことなんですよね。
2016年4月15日金曜日
二人のヒロイン
最近、とっても気になる二人の方の物語が始まりました。
1つはマリメッコの創始者であるアルミ・ラティアの半生を映画化した『ファブリックの女王』。
ラティア(正確には夫妻ですが)は、戦後の暗い時代だったフィンランドを明るくしようと、
鮮やかな色使いでデザイン性に富むファブリックを発表し、注目を浴びます。
マリメッコの色使いは『北欧だから』明るいのではなく、明確な意図があったのです。
もう1つはNHKの朝の連続ドラマ小説『とと姉ちゃん』。
暮らしの手帖の創業者の大橋鎭子氏がモデルです。
戦後のくらしがどうあるべきか、物があふれる時代に何を基準にそれを選ぶべきかを
読者に投げかけ続けた方です。
幼少期に母が購読していて、納戸にはバックナンバーが揃っており、
私は時間があるとなぜかそれをよく読んでいました。
炊飯器やトースターのテストをする紙面を小学生の男の子が読んでいたわけです。
そんな思い出が蘇ったのは数年前。
その紙面が中立性を保つために企業広告を載せていなかったという事を知った時です。
当時の僕にはもちろんそんな背景は分かりません。
でも、紙面からにじみ出る緊張感、物に対する真摯な姿勢が、
1つの魅力的な文章となって映ったのだと思います。
昨夜、熊本を大きな地震が襲いました。
私にとって熊本は、2年前に初めて(まともな)家族旅行をした時も、
無理を言って熊本にしてもらったほどの思い出の地です。
今も不便な生活を強いられている熊本の皆様が
一刻も早く元の生活に戻れること、
そして戦後にラティアや大橋鎭子が苦しさの向こうに道しるべをつくったように、
インテリアが少しでも力になれることを祈ります。
1つはマリメッコの創始者であるアルミ・ラティアの半生を映画化した『ファブリックの女王』。
ラティア(正確には夫妻ですが)は、戦後の暗い時代だったフィンランドを明るくしようと、
鮮やかな色使いでデザイン性に富むファブリックを発表し、注目を浴びます。
マリメッコの色使いは『北欧だから』明るいのではなく、明確な意図があったのです。
もう1つはNHKの朝の連続ドラマ小説『とと姉ちゃん』。
暮らしの手帖の創業者の大橋鎭子氏がモデルです。
戦後のくらしがどうあるべきか、物があふれる時代に何を基準にそれを選ぶべきかを
読者に投げかけ続けた方です。
幼少期に母が購読していて、納戸にはバックナンバーが揃っており、
私は時間があるとなぜかそれをよく読んでいました。
炊飯器やトースターのテストをする紙面を小学生の男の子が読んでいたわけです。
そんな思い出が蘇ったのは数年前。
その紙面が中立性を保つために企業広告を載せていなかったという事を知った時です。
当時の僕にはもちろんそんな背景は分かりません。
でも、紙面からにじみ出る緊張感、物に対する真摯な姿勢が、
1つの魅力的な文章となって映ったのだと思います。
昨夜、熊本を大きな地震が襲いました。
私にとって熊本は、2年前に初めて(まともな)家族旅行をした時も、
無理を言って熊本にしてもらったほどの思い出の地です。
今も不便な生活を強いられている熊本の皆様が
一刻も早く元の生活に戻れること、
そして戦後にラティアや大橋鎭子が苦しさの向こうに道しるべをつくったように、
インテリアが少しでも力になれることを祈ります。
2016年4月13日水曜日
サンクスレター
今日のブラインドの工事を以て、メカ物月間も一段落。
(メカ物=ブラインドやロールスクリーンなど)
後はこわ~い請求書を待つのみです(苦笑)。
この間、ご注文頂いた全てのお客様にもそうなのですが、
当店ではメカ物の勧め方にルールを設けています。
まずはメカとしての完成度。
アフターの発生率が低く、お客様がストレスなく使えるものであること。
この判断を正確に行いたいので、
日頃から各メーカーの商品についてマニアックなほどに調べています。
それが販売店としての義務だと思うからです。
ただ、それだけを優先しすぎるとお客様の作りたいインテリアが
出来ない場合があります。
そんな時はご説明を加えた上で、他メーカーさんのものをお勧めします。
全ての現場、そしてメカ物が付く全ての窓には、
当店なりの明確な意味があり、
営業さんと気が合うとか取引条件が良いとか、
そういう基準で販売することはありません。
でも、こうしてお客様と選び抜いた商品が最後の最後で
苦笑いで終わることが多いのです。
それは保証期間の話をする時です。
『一つご注意頂きたいのが保証期間なのですが…』で始まり、
『ここに保証期間は3年と書いてありますが、実質的には1年でして、
ここを読んで頂くと書いてあるのですが、消耗品は1年になっています。
こうした商品の場合、何か起きる時は動く部分ですので、
ここだけお間違えないようにご注意ください』
そうご説明すると大抵のお客様は
『なんでこんな誤解を招くような表現がしてあるんですか?』
と聞かれます。
こういう手法は見かけませんので、もっともだと思います。
色々な過程を経て決まったお客様にとってはオンリーワンの商品。
その信頼を寄せたメーカーが、誤解を招く表現をしていることに対して、
お客様は苦笑いをされるのです。
私もいつも、この瞬間がとても憂鬱です。
どうかもう一度、各メーカーさんには、
この表現方法について検討して欲しいと思っています。
お客様が、自分の選んだ商品はこれで良かった、
そんな商品を作っているメーカーがあって良かったという印象で終わるように。
保証書って、メーカーさんからお客様への感謝の手紙であるべきだと
私は思っています。
(メカ物=ブラインドやロールスクリーンなど)
後はこわ~い請求書を待つのみです(苦笑)。
この間、ご注文頂いた全てのお客様にもそうなのですが、
当店ではメカ物の勧め方にルールを設けています。
まずはメカとしての完成度。
アフターの発生率が低く、お客様がストレスなく使えるものであること。
この判断を正確に行いたいので、
日頃から各メーカーの商品についてマニアックなほどに調べています。
それが販売店としての義務だと思うからです。
ただ、それだけを優先しすぎるとお客様の作りたいインテリアが
出来ない場合があります。
そんな時はご説明を加えた上で、他メーカーさんのものをお勧めします。
全ての現場、そしてメカ物が付く全ての窓には、
当店なりの明確な意味があり、
営業さんと気が合うとか取引条件が良いとか、
そういう基準で販売することはありません。
でも、こうしてお客様と選び抜いた商品が最後の最後で
苦笑いで終わることが多いのです。
それは保証期間の話をする時です。
『一つご注意頂きたいのが保証期間なのですが…』で始まり、
『ここに保証期間は3年と書いてありますが、実質的には1年でして、
ここを読んで頂くと書いてあるのですが、消耗品は1年になっています。
こうした商品の場合、何か起きる時は動く部分ですので、
ここだけお間違えないようにご注意ください』
そうご説明すると大抵のお客様は
『なんでこんな誤解を招くような表現がしてあるんですか?』
と聞かれます。
こういう手法は見かけませんので、もっともだと思います。
色々な過程を経て決まったお客様にとってはオンリーワンの商品。
その信頼を寄せたメーカーが、誤解を招く表現をしていることに対して、
お客様は苦笑いをされるのです。
私もいつも、この瞬間がとても憂鬱です。
どうかもう一度、各メーカーさんには、
この表現方法について検討して欲しいと思っています。
お客様が、自分の選んだ商品はこれで良かった、
そんな商品を作っているメーカーがあって良かったという印象で終わるように。
保証書って、メーカーさんからお客様への感謝の手紙であるべきだと
私は思っています。
ラベル:
工事・納品
2016年4月12日火曜日
2016年4月11日月曜日
プランニングの視点
本日お納めした厚木市のM様のオーダーカーテンです。
一目ぼれされた大人かわいいブルーのドレープに
無地のレースの組み合わせ。
普通ならそこで終わりですが、そこは当店らしく一工夫。
レースの裾にマクラメを付けました。
プランニングの際、スタッフがこだわったのがマクラメのサイズ。
一般的には窓やドレープの柄のサイズに合わせますが、
マクラメのサイズによって醸し出されるイメージを優先しました。
大きければ大きいほどゴージャスになり、
ドレープの持つイメージと離れてしまうからです。
カーテンのプランニングは素材や色だけではなく、
色々な視点で作られています。
ラベル:
プレゼンテーション
2016年4月10日日曜日
メカ物が続く厚木の春
春はメカ物。
窓から西日など入りたるはやはり眩しき。
ロールスクリーンなど適したると思いつつも、
窓からプーリーなど飛び出したるに少し難し。
縦型ブラインドの金物を用いてふかしたればと思いきや、
それだけでは足らず。
巻き方を逆にしたりて、ぎりぎりかわしたり。
ドヤ顔で現場を後にす。
ラベル:
工事・納品
2016年4月9日土曜日
縦型ブラインドの取付け
葉山町のT様邸に縦型ブラインド(バーチカルブラインド)を施工しました。
片側出隅までの壁面は180㎜で柱が逃げています。
ヘッドレールの端はブラケットが咬まないので、取付にも工夫が必要です。
まずは窓内2か所の縦桟に効かせるところから。
マグネットでクロス裏のビスを拾い、縦桟を見つけます。
上ビスを打ったらキリでブラケットを止める箇所をチョットもみます。
(ボルトの出っ張りが天井に当たり、ブラケットがお辞儀してしまうためです)
ブラケットを固定してここは終了。
次は柱の逃げている出隅側です。
こちらは天井に固定します。
天井の際には石膏ボードを止める為の野縁(桟)があるので、
そちらに固定しました。
ブラケットは直接羽根が窓枠に当たらないように、
壁から離さなければならないのですが、
その位置ではビスは効きません。
なので、ビスの聞く位置に金物を固定して前に延ばす方法を採ります。
窓のサイズや商品の特徴を考えながら、
お客様が安全にお使い頂ける方法で取り付けています。
片側出隅までの壁面は180㎜で柱が逃げています。
ヘッドレールの端はブラケットが咬まないので、取付にも工夫が必要です。
まずは窓内2か所の縦桟に効かせるところから。
マグネットでクロス裏のビスを拾い、縦桟を見つけます。
上ビスを打ったらキリでブラケットを止める箇所をチョットもみます。
(ボルトの出っ張りが天井に当たり、ブラケットがお辞儀してしまうためです)
ブラケットを固定してここは終了。
次は柱の逃げている出隅側です。
こちらは天井に固定します。
天井の際には石膏ボードを止める為の野縁(桟)があるので、
そちらに固定しました。
ブラケットは直接羽根が窓枠に当たらないように、
壁から離さなければならないのですが、
その位置ではビスは効きません。
なので、ビスの聞く位置に金物を固定して前に延ばす方法を採ります。
窓のサイズや商品の特徴を考えながら、
お客様が安全にお使い頂ける方法で取り付けています。
ラベル:
工事・納品
2016年4月8日金曜日
ちょっと違うものを合わせる
カーテンで色を楽しみたいとおっしゃっていた茅ヶ崎市のT様。
カラフルでありながら大人っぽい感じがご希望でした。
スタッフがご提案したのは植物柄の北欧プリントと
木立を思わせるイギリスのコットンプリントの組み合わせ。
少しかわいらしいイメージの北欧生地も、
組み合わせ次第で大人っぽく仕上がります。
『合わせる』というと、つい単純に色を合わせることを連想しがちですが、
『違和感がないちょっと違うものを合わせる』ことで、
生地はまた違う表情を見せてくれます。
ラベル:
プレゼンテーション
2016年4月7日木曜日
2016年4月5日火曜日
ピンポイントな醍醐味
平塚市のN様の寝室にお納めした刺しゅうレース。
透け感のあるオパールプリントではありませんが、
フロント使いにしました。
スタッフがバックにお勧めしたのは、敢えてのブルー。
そして2つの小窓には、敢えてのブラウンの木製ブラインド。
ピンポイントなイメージをお持ちのN様に、
ちょっと何かが違えば大崩れしてしまいそうなオーダーカーテンのプランです。
こうしたイメージを共感させて頂けることが、
私たちの仕事の醍醐味かもしれません。
ラベル:
プレゼンテーション
2016年4月4日月曜日
ラベル無し指定
こちらは横浜市のF様の2Fホールに取り付ける
ロールスクリーンの発注書です。
洗濯物を干すスペースとしても活用するため、
廊下から見えないように間仕切りとして使われます。
取り付ける天井面には高さ8センチほどの貼りがあり、
廊下から本体が見えないように、その裏側の壁面に取り付けます。
問題なのは生地を下げた時。
洗濯ラベルや防炎ラベルが廊下側から見えてしまいます。
生地を裏表逆使用にすると、今度はランドリースペースから見えてしまいます。
そこで、この2つのラベルを付けないように指定して発注します。
ちょっとしたことですが、
取り付けると気になるのは案外こうした小さなことなんですよね。
ラベル:
発注・事務作業
2016年4月1日金曜日
エアコンとの戦いは続く
こちらは伊勢原市のS様のご了承を頂いて、
現場打ち合わせの際に貼った紙テープ。
エアコン工事がカーテン工事よりも先に行われるとの事で、
レールがどこまでくるか位置を示したものです。
電化製品と言うのは在来工法のモジュールに合わせて作られており、
冷蔵庫なら両側が壁でも入る75㎝以内、
エアコンなら片側壁でも入る80㎝以内になっています。
でも最近はそれを無視して大型化した機種も出ていますし、
取り付ける業者さんによっても違います。
こちらが予想した『一般的な位置』に付けてくれるとは限りません。
S様の購入された機種はレールと干渉するサイズではありませんでしたが、
念には念を入れてマーキングすることにしました。
ちなみに機種で今もっとも要注意なのが富士通。
以前は最もコンパクトなサイズを売りにしていましたが、
本体横の送風口が稼働するガンダムみたいなものが出てきました。
あの機種はサイズが大きいので要注意です。
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