ナビのエリアを広く設定して道のりを確認する。
小さな川があって長そうな橋がある。
山の大きさから行って橋の高さもかなりありそう。
ゆるやかなカーブをいくつか過ぎて山の頂上付近でふと目が止まる。
突然の長いストレート。
ナビ上に見える山の名前は、道から遠く離れた場所に何か所かだけ。
その瞬間、ここには素晴らしい景色が待っていると確信した。
一人旅をしている時は、いつもこうして地図を旅していた。
観光地には興味は無かったし、
その土地の美味しい物を食べられるほどのお金も無かった。
テントを張ってランタンを点けると、長い夜を地図を見ながら過ごした。
今も、どこかに行く時はついつい地図を見て空想してしまう。
この道は景色が良さそうだ…
こんな場所にある川はキレイなんだろうな、蛇行が多いから川辺に降りられるかな…
街中を通過するなら、ここを曲がって一面たんぼマークのこの道を走ろう…
地図の旅はお金の掛からない最も楽しい時間の使い方だった。
仕事終わりの帰り道。
山に入る手前のコンビニで、
売れ残りのシーチキンとドライカレーのおにぎりを買う。
本当は発泡トレーに最初から海苔が巻いてあって、
おにぎりの間に沢庵が入っているのが良かった。
スペシャルな昼食だから、こだわりたかったけど仕方ない。
でも、まあいいか。
それを差し引いても、最高の時間になることは間違いない。
なんてったって絶景~!