その際、『オリジナリティを加えたプランが好評なのですか?』
という趣旨の質問を受けました。
僕が一番誤解されたくないところだったので、
『違いますよ』と答えました。
当店ではちょっと変わったプランをご提案することが多いのですが、
他店さんとの差別化が目的ではありません。
お客様のお部屋のイメージや、カーテンに期待されていること、
そんな色々な事をお聞きしていく中で、
結果的にそうした形になることが多いのです。
大事なのは、お客様の気持ちや想いをどれだけプランに反映できるかであって、
『この生地とこの生地を合わせると素敵でしょ。他店さんでは出来ませんよ』
と言うためにプランを作ってはいけないと思っています。
そしてそれは当店が最も大事にしていることです。
K様が他店様のお見積もりを持って来店されたのは2週間ほど前でした。
その後、現場を拝見してお店でのお打合せをし、
最後の現場打ち合わせまでの間、スタッフとプランについて色々と話をしました。
各居室のプランが出来上がり、あとはご提案するだけという段階で、
ふと気になったのは2Fのホールのベランダ窓でした。
ご予算の関係で、他店様のプランのままお手頃価格のロールスクリーンになっていて、
私もスタッフもそのままでいくことが暗黙の了解になっていました。
『この窓のロールスクリーンって、奥様のイメージからちょっと離れているような…』
『確かに…ちょっと無機質な感じかも』
という一言からもう一度、K様のご新居にとってあの窓がどういう位置づけで、
どんな役割(風を通すとか洗濯物を干す際に出入りするとかではなく)を持つのか、
話し合いました。
寝室の壁紙や候補生地を見ながら、
2Fの色の流れも考えつつご提案したのは当店で人気の刺繍レース。
でも、今日のお打合せで奥様はとても喜んで下さいました。
私たちがしなければいけないこういうことなんだと、改めて感じました。