2018年1月13日土曜日

追憶の5円玉

例えば遠い場所で何気なく寄ったコンビニの店員さんとか、
電車で向かいに座ったビジネスマンとか、
車で信号待ちをしている時に前を横断する学生さんとか、
そういう人たちとほんの一瞬、同じ空気の中にいた時に、
「あ~、この人とはもう一生会わないんだろうなあ」という
当たり前のことを思うことがあります。

中学を卒業する時に、
青春18切符を使って一人旅をしたのですが、
そんなことを先日母親と話していて、
「俺が帰って来た時に、一番の旅の思い出って何話してた?」と聞いたら、
大阪で鈍行に乗っている時に、向かいのおじさんに話しかけられたことだと。
そこまで聞いてもなかなか思い出せずにいたのですが、
続きを聞いた瞬間、その光景を鮮明に思い出しました。
「ニイチャン、一人で旅行してるのか?それはスゴイな。
これもなにかのご縁や。これ、旅のお守りにとっとき」
おじさんはそう言って、僕に5円玉をくれたのです。
そして中学生の自分が、初めての一人旅を孤独を感じずに楽しめたのは、
あのおじさんが旅の楽しさを教えてくれたからかもしれないと、
その時初めて気づきました。

今日、アートケイさんから今年第一段のU様のカーテンが届きました。
こうしてご縁を頂いたことに感謝して、
あのおじさんの5円玉のように、心の奥底に何かを残せるように、
きっちりお届けしたいと思います。


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