採寸が終わった時にふと思い立って、
小さい頃父に連れられて訪れたX氏の自宅を探してみた。
X氏は設計士だった父が生前お世話になった方で、
当時の僕には予想もつかないお金持ちということは知っていたが、
父でさえ『何の仕事をしているか分からない』という謎の人物だった。
数年前、母から〇〇藩の家老の家柄と聞いたのでネットで調べたことがあった。
そこには確かにその家柄と、某新聞社の社主との繋がりが書いてあった。
このX氏の繋がりで、父は(僕にとっての)もう一人の謎の人物Y氏の仕事もした。
Y氏はX氏の隣の藩の藩主の家柄で、某総理大臣の子孫にあたる。
そして、そんな繋がりから父は某巨大商社の仕事をするようになる。
父の死後3年たったある日、その商社は私の家の経済状況を気にして、
当時大学生だった僕に東京の単身赴任寮の住込みのバイトを紹介してくれた。
給与ももらえて部屋はタダ。専任のコックさんが作る夕食もタダだった。
課長級以上しか入れない場所で、副社長や専務も居らした。
運転手つきの黒塗りの車で寮に帰られると迎えに出て、
部屋まで鞄を持つのも僕の仕事だった。
非常に貴重な経験の出来た一年だった。
でも今から思えばとても不思議な出来事だと思う。
江戸時代の藩の繋がりが、
現代、しかも経済の中枢でなぜ脈々と続いているのだろう?
なぜあんな巨大商社が小さな設計士の息子のその後を気にしたのだろうか。
父が亡くなって3年も経つのに。
僕が東京近郊の大学に入り一人暮らしをしていて、
家計も楽じゃないという事を知っていたのはなぜ?
記憶を頼りに車を走らせるとそこに門はあった。
山の麓にシンプルな門とX氏の苗字がかかれたシンプルな表札。
門から延々と山へ向かって伸びる道は、
竹林に阻まれてその先を見ることはできない。
思い切ってチャイムを鳴らそうと思ったけど、
その類の物はどこにも無かった。
2014年1月29日水曜日
2014年1月28日火曜日
2014年1月27日月曜日
O様発注しました
腰高窓からどの位下げると柄との位置関係がきれいか確認しています。
窓からの垂らし分は窓や柄の大きさ、他の窓とのバランスなども関係してきますので、
一律に〇〇㎝と決められません。
お客様から施工後に何らかのご指摘を受けたことはありませんが、
こうした小さな積み重ねが全体の仕上がりに影響します。
ただ数字だけを書くシンプルな縫製指示書も、
手間がかかっていない訳ではありません。
シェードの方は生地の取り方、柄位置指示、残布で作るカフェカーテンや
座布団カバー、前幕・後幕の指示寸法など細かな指示がギッシリ。
一枚書くのに1時間かかりました(苦笑)
どちらもバッチリ仕上げますのでお楽しみに。
2014年1月26日日曜日
K様発注しました
生まれてくる赤ちゃんのためにカーテンを新調されるK様。
いくつかの生地で悩まれていたので、
『子育てはお母さんが一番大変ですから、
K様が心和む生地にされたらいかがですか?』
とお話したらちょっと悩んで、
でもやっぱり産まれてくる子のことを考えて選ばれました。
お母さんは偉大です。
海外取り寄せ品ですので通常より少し納期がかかりますが、
楽しみにお待ちください。
私から初めて電車に乗るとってもかわいい女の子の動画をプレゼント。
大変ですが楽しくて感動の毎日ですよ。
2014年1月25日土曜日
一押しアイテム
メーカーのショールーム等でサンプルを選ぶときは、
「あ、これいいね」「あれも素敵ですね~」などと
会話をしつつ選ぶのですが、
ショールームに入った途端にアドレナリンが出まくりで、
スタッフ共々一言もしゃべらずに
数十分間ひたすら無言で選び続けたのがコチラ。
カーテンやタッセルなどに付けるトリムです。
カジュアルな感じやカントリーに…
「あ、これいいね」「あれも素敵ですね~」などと
会話をしつつ選ぶのですが、
ショールームに入った途端にアドレナリンが出まくりで、
スタッフ共々一言もしゃべらずに
数十分間ひたすら無言で選び続けたのがコチラ。
カーテンやタッセルなどに付けるトリムです。
カジュアルな感じやカントリーに…
エレガントも、大人向けからキュートまで…
こちらは幅広タイプ…
最近人気のエスニックも…
ただただ楽しいです。
見ているだけでワクワクします。
ちなみに立てているのは、
わざわざホームセンターで買ってきた木材を塗装して作った苦心作。
当店の今年一番のお勧めアイテムです。
ラベル:
店作り
2014年1月24日金曜日
2014年1月23日木曜日
ソファ張替えの現調
今日は定休日と言う名の、普段やれない仕事をする日です(笑)。
午前中は取引先工務店さんと打合せ。
午後は帳簿と伝票と格闘して、
夕方からはソファの張替えの現調に行ってきました。
ソファや椅子の張替えは、内装関係で最も受注率の低い仕事と言えます。
依頼される方の殆どは安く済ませたいというのが理由ですが、
今貼ってある生地をはがして、状況によってはウレタンを交換し、
再度型を取って貼りなおさないといけません。
結果的に、新品を購入された方が安くなってしまう事がほとんどだからです。
そしてそんな理由から、今もっとも職人さんのいない仕事の一つです。
建築業界でも50代以上の職人さんが7割位を占めており、
20年後には深刻な職人不足が懸念されています。
なぜ皆辞めてしまったのか?
なぜ新しい人が入ってこないのか?
お父さんはなぜ息子に『跡を継げ』と言えないのか?
真剣に対策を考える時期になっていると思います。
2014年1月22日水曜日
2014年1月21日火曜日
O様発注してます
柄物のシェードと無地のカーテンを組み合わせたO様。
バランスはジョイントが出来ないように、縦使い生地を横方向に使います。
そのままでは余りがたくさんできてしまうので、
色の組み合わせや生地の取り方を工夫してロスのないようにします。
かなり複雑な取り方になったので、発注書には割り付け図を添えて。
組み合わせられる無地を探し、プランを考えデザイン画を描き、
生地の取り方を考え、細かく指示をした縫製指示書を書き、
やっと2窓の発注が終わります。
ホッとする瞬間です。
2014年1月20日月曜日
S様発注してます
カーブレールを付ける出窓の内寸の高さは1063㎜。
使用するレールは発注の基準となる管下(レールの輪っかの下)まで
40㎜下がりますので1023㎜となります。
1020㎜の発注?それとも1010㎜の発注?
㎜単位の指定は出来ませんので1015㎜と書いて、
『管下1023㎜なので1020㎜より少し短めという意味です。
1015㎜ジャストという意味ではありません』
と注意書きをすることもあります。
伸縮のある生地に形態安定加工を掛けて、
その単位での正確さを求めるのは無理があるからです。
今回の場合は、ブラケットで対応しました。
通常の天付ワンタッチブラケットではなく天付ブラケットを使います。
こちらは40㎜ではなく33㎜下がります。
1063-33㎜-10㎜(窓台からの上がり分)で1050㎜の発注です。
ブラケットは2つ多くとって取り付け強度の対応もします。
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