少し前の話ですが、4月に家族で天草へ旅行に行きました。
今年は長男と次男が受験なので、家族でどこかへ行けるのも最後、
と言うよりまともに家族旅行をしたことがなかったので、
最初で最後の家族旅行をしようと思ったのです。
子供たちに希望の行先を聞いたところ、色々と楽しそうな場所が出てきたのですが、
『やっぱり天草へ連れて行きたい』と僕のわがままを通してもらいました。
自分が今までで一番好きだった場所を、子供たちに見せてあげたかったのです。
子供たちは『天草ってどこ?』『何県?何かあるの?』と聞いてきました。
最初の質問には『熊本県』と即答したものの、次の質問にはちょっと悩みました。
『そう言えば何があったんだろう?』
僕が天草に行ったのは今から24年前。
バイクで日本一周をした時です。
当時住んでいた川越市のアパートを出て時計回りに西へ。
関西を抜け岡山から四国へ、そして高知からフェリーに乗り大分へ渡りました。
一人で野宿旅と言えば聞こえは良いですが、とても孤独で恰好悪い旅でした。
毎日3時を過ぎれば寝る場所を探して心落ち着かず、
誰もいない田舎道の片隅でテントを張ってはみたものの、夜の闇に恐怖して泥酔しました。
台風に直撃され心折れそうになり、
でもそんな弱音も吐けずに公衆電話から意味なさげに友人に電話したりもしました。
そんな旅の中で最も心に残っている場所が天草だったのです。
でも、振り返ってみると僕が覚えている光景は2つだけでした。
一つは小さなフェリーに乗った時に見えた美しい夕焼け、
もう一つは別のフェリー乗り場の岸壁から海を覗いた時に見た熱帯魚のような魚の群れ。
あれだけ思い出に残っていて、いつかもう一度行きたいと思い続け、
新聞の投書欄に天草の話を見つけるだけで心躍り、
仕事で一息つくと『天草』を画像検索したりYouTubeで見たりしてしまうのに、
覚えている光景はその2つだけだったのです。
考えてみればそれは不思議なことでした。
美しい景色ならほかにもたくさん見てきました。
空へ向かって離陸するように走る乗鞍スカイライン、
雄大という言葉でしか言い表せない北海道、
美しい川添いを走る吉野川添いの国道、
河童橋に寝転んで見た天の川と無数の流れ星、
チェーンを巻いてバイクで走った真冬の北海道、
灼熱のオーストラリア、
美しい景色も鮮明に残る思い出の地も、数えきれないほどありました。
でも、僕が最も思い出に残っていたのは天草だったのです。
現地に着き、車を走らせながら僕はひたすら記憶を手繰り寄せました。
どこかに見覚えのある景色があるはずだ。
どこかに思い出を鮮明に蘇らせてくれる何かがあるはずだ。
でも、いくら走っても何も思い出せません。
『確か……牛深という港からフェリーの乗ったはずだ』
家族に無理を言い、夕暮れの島を数10キロ離れた場所まで走りました。
山間の道を抜け突き当れば牛深港。
胸の高まりを抑えながら、少しづつ見えてくる港を目指しました。
そして、着いた場所は全く見覚えのない場所でした。
結局、自分がなぜあんなにも天草に惹かれたのか分からないまま、
三日間の家族旅行は終わりました。
自分の疑問は解けませんでしたが、皆とても楽しかったと言ってくれて、
我がままを押し通した負い目も少しは抜け、
また一つ天草が好きになって帰ってきました。
つい最近、開業以来初めて一人で釣りに行きました。
行先は西伊豆の戸田港。
ここは僕がバイクの免許を取ってから数えきれないほど通った思い出の場所です。
時間があるとここへ来て、缶コーヒーを飲んで帰るというのがパターンでした。
久しぶりに釣りに行こうと思った時、色々な釣り場が思い浮かんで、
『今なら〇〇港がいいかな~』などと情報も集めてみましたが、
やっぱり自分が一番落ち着く場所がいいかなと思いました。
釣果もそこそこ良く、一日竿を振った心地よい疲労感と
気持ちがリセットされたような充実感を味わいながら片づけを始めた時、
夕暮れに照らされた海と小さな港町を見ながらふと、
『天草に似てる』と思いました。
そうか、そういうことだったのか。
2014年9月28日日曜日
2014年9月24日水曜日
U様邸ブラインドの昇降コード
この数日間は工事が続き、ちょっとブログをお休みしておりました。
時間的にと言うより体力的な問題です(苦笑)。
息子に『テレビ番組表かよ』と突っ込まれたスケジュールでしたが、
そんな間も小さいことにこだわりながら1窓1窓丁寧に。
時間的にと言うより体力的な問題です(苦笑)。
息子に『テレビ番組表かよ』と突っ込まれたスケジュールでしたが、
そんな間も小さいことにこだわりながら1窓1窓丁寧に。
こういうの気になるんです。
こんな感じが良いですね。
明日は茅ヶ崎市のN様と藤沢市のS様のご新築工事です。
バッチリ仕上げます!
2014年9月18日木曜日
2014年9月17日水曜日
新サンプル
今日は新規のお取引をお願いに輸入生地商社をへ行って来ました。
素晴らしい生地がたくさんあり、見ているだけでテンションが上がります。
数冊購入したブックの内、持ち帰ることのできた無地シリーズを紹介します。
素晴らしい生地がたくさんあり、見ているだけでテンションが上がります。
数冊購入したブックの内、持ち帰ることのできた無地シリーズを紹介します。
何と36色のカラーバリエーション。
ポリエステルとは思えない素材感もそうですが、
輸入物には珍しい150㎝の生地巾も良いですね。
柄物と組み合わせることの多い当店にとって、無地の生地巾はとても重要なんです。
そして何より素晴らしいのが色!
例えばブルーだと、国産品は殆どがお子様向けになってしまうんですよね。
大人向けだとモダン系の素材感のものしかなかったり。
ピンクも非常に困る色です。
国産品はなぜかサーモンピンクになってしまいます。
大人の女性に選んでもらえる上品なピンクがなかなかありません。
アイボリーもしかり。
薄すぎたりベージュに近くなり過ぎて、『このアイボリー!』って言える色が
案外少ないのです。
このシリーズは当店にとって救世主になってくれそうです。
この他にも綿の多色のシリーズもあります。
柄物は是非、当店で現物をご覧になってください。
明日は定休日ですが輸入商社巡りの第2弾。
一日で3社を周る強行軍です。
行って来ます!
ラベル:
プレゼンテーション
2014年9月16日火曜日
2014年9月15日月曜日
子供部屋への想い
かわいい靴が並んだイギリスからの輸入生地。
ご夫婦でお使いになるお部屋よりご予算を優先して、
子供部屋にお選びになりました。
『子供部屋にこだわりたい』のは、
もちろん愛する我が子がかわいいからだと思います。
でも、お母さんにとってお嬢さんのお部屋は、
『自分が子供の時に作りたかったお部屋』だったりもします。
子供の部屋であり、過去の自分の部屋でもあるのです。
スタッフと話しながら考えた今回のプラン、
きれいに仕上がるよう、細部まで気を付けながら縫製指示書を書きました。
あとは『お二人』の笑顔を待つばかりです。
2014年9月13日土曜日
北欧プリントと仕上がり丈
こちらはご新居の各室にマリメッコのカーテンを選ばれたI様の発注書です。
北欧のプリント生地は版ずれやロッドによる色の違いなど、
工業製品としての完成度という目で見れば問題点が色々とあります。
(この点を問題点と捉えるかどうかが日本とのギャップでもあるのですが)
寝室に選ばれたロッキは縦リピートが114㎝という日本では考えられない大きさ。
仕上がり丈はリピートを考慮して決めましたが、
心配なのは『本当にそのリピートで仕上がってるの?』という点です。
もし違っていたら、次の柄が少しだけ見えてしまったり、
柄の最後が切れてしまったりすることも考えられます。
そこで、備考欄にはその旨と『生地到着後に柄位置を確認させてください』という
お願いを書き加えました。
良い感じで仕上がるように慎重に進めます。
ラベル:
発注・事務作業
2014年9月12日金曜日
2014年9月11日木曜日
カーテンと照明のセミナー
今日はスタッフと秋葉原へセミナーを受けに行って来ました。
照明のコイズミさんとカーテンメーカーの川島織物セルコンさん、
レールメーカーのトーソーさんの3社が合同で行った『光とカーテン』を
テーマにしたセミナーです。
照明については一度きっちりと基礎知識を学んでおきたかったので、
一人で行こうかなと思ったのですが、隣に居たスタッフが、
『講師が玲子さんです~!斉藤さん、行きましょう!(迫真)』と言うのでびっくり。
実は、カーテンの講師を務められた㈱ダルクデコの木村玲子さんは、
当店が時折施工のお手伝いをさせて頂いている業界のトップコーディネーターなのです。
正確には、『施工のお手伝い』と通じて、
私どものスキルアップのために打ち合わせやプランニングを見せて下さっている
という言い方が正しいのですが(苦笑)。
今回のセミナーでは、生地の持つ魅力やカーテンで空間をコーディネートする意義、
そしてプロとしての仕事への向き合い方についても話をされていました。
ほんの少しですがリアルに現場を見た者として思うのは、
参加した方が単に施工例の素晴らしさに目を奪われて終わるのではなく、
その裏側にある『写真には写らないこと』こそ、僕らが学ぶべきことなんだと言う事です。
セミナーではそうしたお話も数多く散りばめられていて、とても素晴らしい内容でした。
また、照明を担当されたコイズミさんのお話も非常に分かりやすく、2時間があっと言う間でした。
唯一の失敗は午前の部に申し込んだこと。
1時半まで仕事して6時起きは辛かった~(笑)。
ラベル:
出張・展示会
2014年9月10日水曜日
N様の2Fレース
こちらは茅ヶ崎市のN様のレース。
今日、監督様から窓上のブラケット照明とレール取付の納まりについてお返事があり、
発注をしました。
こちらのレースの裾は、刺しゅう部分まで裏側へ折り返しています。
折り返し無しのウエイト巻きロックでは裾が貧弱な感じになり、
10センチの折り返しではその部分だけ重なる感じがキレイではないためです。
こちらは家事室に付けるカフェカーテン。
同じ生地ですが、裾は短くカットして刺しゅうより下の寸法を短くします。
仕上がり丈が短いため、ベランダ窓のカーテンと同じように作ると
刺繍の位置が高くなり過ぎてアンバランスになるからです。
お客様が完成品をご覧になった時に違和感を感じないこと。
そして発注前に完成品をイメージして、その可能性がある箇所を見つけ出すこと。
そうしたプロセスを踏むことで、完成度はグッと上がります。
ラベル:
発注・事務作業
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